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「漠然とした不安」は書いて整理しよう

2016年11月09日 公開

大野裕(精神科医)

前向きな考え方が身につく「コラム法」とは

漠然と不安を覚えたり、無性にイライラしたりする……。さまざまな感情が入り乱れてモヤモヤすることはないだろうか。そんなときはいったん、自分の感情を整理してみるべきだろう。そこで有効なのが、感情を「書き出す」という手法。認知療法にもとづいたそのやり方を、精神科医の大野裕氏にうかがった。

 

書くことは「自分に相談する」こと

 将来への漠然とした不安や職場での人間関係の悩み……。現代のビジネスマンは、何に悩んでいるのかを把握できないほど、多くのストレスを抱えています。そんなときはまず、1つずつ悩みを書き出して思考を整理してみることをお勧めします。なぜなら、悩みは「思い込み」であるケースが多々あるからです。

 私たちは日頃、ほとんどの判断を無意識に行なっています。すべて熟考していては時間がいくらあっても足りないからです。いわば「自動思考」によって判断・行動して、生活しているわけです。とくに、精神的に疲れているときほど、自動思考で情報を処理してしまいがちです。

 しかし、自動的な判断は、基本的にマイナスの部分を大きく捉える傾向があります。そのため、心が疲れているときほど、漠然とした不安が大きく広がってしまうのです。

 ここで、一度立ち止まって自分の考え=認知を客観的に振り返ってみると、意外なほどネガティブな感情にとらわれて、悪い思い込みをしていたことに気づけるのです。

 誰かに相談できれば「考えすぎ」「心配する必要はない」などといった客観的な意見に触れることができますが、人に相談するというのは簡単なようで実はハードルが高いもの。あまりに悩みが深ければ相手も受け止めきれないからです。

 そこで、書き出すことによって自分の気持ちや考えを客観的に見る「もう一人の自分」を作ることができれば、他人ではなく「自分」に相談できるようになるのです。

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書いていくうちに思い込みが見えてくる >



著者紹介

大野裕(おおの・ゆたか)

精神科医

1950年、愛媛県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。コーネル大学医学部留学、ペンシルベニア大学医学部留学、慶應義塾大学教授を経て、現在は、独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長。医学博士。日本認知療法学会理事長。
著書に、『はじめての認知療法』(講談社現代新書)、『こころが晴れるノート』(創元社)、『不安症を治す』(幻冬舎新書)などがある。認知療法活用サイト「こころのスキルアップ・トレーニング:うつ・不安ネット」(ウェブ・モバイルともにhttp://www.cbtjp.net)を発案・監修している。

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