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関心事は自分のみ!? 空気を読まないサービス(フランス)

2016年12月07日 公開
2017年08月10日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(16)石澤義裕(デザイナー)

フランス一般家庭のトイレには手洗いがない!?


雲製造工場のような発電所。原子力かどうかは不明。

独立精神が旺盛なフランス人。
原子力発電の割合が77%に達しても、せっせと核分裂に励む世界一の原発国。

他国に頼らぬエネルギー政策はご立派ですが、EUからの補助金に依存した世界第2位の農産品輸出国でもある、脛かじりの独立独歩。しかも議論好きという厄介な性格です。

ヴェルサイユ宮殿にトイレがなかった疑惑があるわりには綺麗好きで、食事のあと、汚れたお皿をパンできっちりと拭って食べるほどです。

綺麗好きなわりに、一般家庭のトイレに手洗いがありません。彼らの生証言によると、用を足したあと、手を洗うこと「も」あるとのことです。

日本ではトイレの便座が自動開閉する時代、便座すらないのはキャンプ場のトイレです。
便座を買えないほどに予算不足かと思えば、ドア付きの個室洗面所が並びます。

手を洗う姿を見られたくないのか、意外にみなさんズラなのか?
証言は取れませんでした。

フランスの最低賃金は、時給1,185円。

日本人より高給取りの仕事ぶりは、客がレジに並んでいても、きっちりとタバコ休憩を取る豪胆なもの。我々には、一生かかっても真似できない技です。

地方では今だにシエスタの習慣があり、田舎のお店は正午になると2時間以上も閉店します。
お昼時こそ昼食が食べられないという責め苦を食らうので、ハンバーガーチェーンに立ち寄っているのです。

ところで開店から1時間半、延々と同じ曲がかかっていて、地味に気が狂いそうです。

空気が読めない彼らですから、誰も気がつかないのです。

宿の主人が鴨のステーキを焼いてくれましたが、塩の蓋が外れてご覧の通り。

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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