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アイデア出しから実行まで一気にこなせる「A3」ノート術

2017年01月23日 公開
2023年05月16日 更新

横田伊佐男(CRMダイレクト代表)

拡大・分割・俯瞰の3ステップを紙の上で展開!

 あらゆる仕事は「問題解決」の連続だ。そこでもノートが威力を発揮する。問題解決のためのアイデア出しやその整理・分析、そして実行に移すためのノートの使い方を、「A3ノート術」の達人・横田伊佐男氏にうかがった。

 

自由に書き直せるから思考を深めていける

 ビジネスマンの皆さんは、仕事上のさまざまな問題の解決に日々取り組んでいると思います。その際に有効なのが、次の3つのステップで考えることです。

(1)拡大思考……問題の原因や解決策をできるだけ多く出す。
(2)分割思考……出てきた意見やアイデアを整理して、絞り込む。
(3)俯瞰思考……問題解決のために行なうべきことの全体像を俯瞰したうえで、実行計画を立てる。

 そして、この一連の思考をするために便利なツールがA3サイズのノートなのです。

 いきなりPCに向かって考え始める人が多いのですが、そうすると、どうしても「きれいな書類にまとめること」に意識が向かってしまいます。すると、深く掘り下げたアウトプットになりません。

 紙であれば、ペンで何度も書き直したり、付箋を貼り直したりするうちに、思考が練り上げられていきます。1枚の紙を複数のメンバーで囲みながら意見やアイデアを述べあうこともできます。

 A3サイズをお勧めするのは、サイズが大きいほうが内容を1枚にまとめやすいから。1枚にまとめると、全体像が把握しやすくなります。30枚の資料を読み込んで理解するのは大変ですが、1枚の紙にまとまっていれば一目瞭然です。

 

3ステップのそれぞれを1枚の紙にまとめよう

 ここでは、具体的な問題解決の例として、「ハンバーガー店の責任者として、売上げアップを求められている」という状況を仮定しましょう。

 まず、(1)拡大思考では、解決策のアイデアをできるだけ多く出します。
 ポイントは、論点を具体化し、かつ、疑問形でテーマ設定をすること。「売上げアップ策について」といった漠然とした形ではなく、「顧客数を2倍に増やすには、何をすればいいか?」というように設定するのです。すると、ゴールが明確になるので、具体的なアイデアが出せるようになります。

 出てきたアイデアは、質より量を重視して、A3のノートにどんどん書き込んでいきましょう。

 

著者紹介

横田伊佐男(よこた・いさお)

CRMダイレクト〔株〕代表取締役

1968年、東京都生まれ。横浜国立大学大学院博士課程前期経営学(MBA)修了。米国外資系金融企業のマーケティングマネージャー、CRMコンサルティングの事業責任者を経て独立。現在は、上場企業ホールディングス、政府系金融機関、欧州トップの外資系金融企業の幹部社員や意欲ある中小企業経営者など、年間約3,000人のビジネスマンを対象に、マーケティング戦略やビジネススキルの研修講座を展開中。著書に『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』(学研パブリッシング)、『最強のコピーライティングバイブル』(ダイヤモンド社)などがある。

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