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ミスがなくなる! 「メモ」の基本&活用術

2017年02月04日 公開
2023年05月16日 更新

鈴木真理子(ヴィタミンM代表)

シーン4 人を動かす「伝えるメモ」

こちらから仕事を依頼するときには、「相手がメモをとってくれない」という問題を解決しなければならない。できる人、優秀な人ほど「そのくらいは覚えておける」と過信しているケースが多いからだ。とはいえ、上司に「ちゃんとメモを取ってください」とは言いづらいはず。そこで、必要なことを相手に気づいてもらう「伝えるメモ」を活用しよう。このときに有効なのが付箋だ。たとえば、文書にハンコをもらいたいときには、「ここにハンコをお願いします」という付箋を該当箇所に貼り付けてしまえばいい。さまざまな場面で使えるように、記入欄が多い罫線つきのもの、半透明のもの、ハンコをもらう箇所をさし示すポインタ型など、いろいろな付箋を揃えておくといい。

シーン5 聞き漏らしを防ぐ「準備メモ

せっかく商談や打ち合わせに時間を割いたのに、後から「先ほど聞き忘れたのですが」などとメールで問い合わせたら、相手は「一度で済ませてくれよ……」とうんざりしてしまうはずだ。こうしたミスをしないよう、商談の前には話す内容を確認できるメモを作っておくといい。もちろん、商談用の資料は作っているだろうが、それに加えて「質問すること」「雑談のネタ」などを仕込んでおくのだ。このメモは付箋に書き、ノートや手帳に貼っておくなどして、相手には見られないようにしておこう。商談をしながら、話し終えた項目にはレ点でチェックを入れていくと「会話の忘れ物」をしなくなる。

シーン6 人脈を最大限に広げる「余白メモ」

ビジネスシーンでは欠かすことのできない名刺交換。だが、一度に多くの人と名刺交換したりすると、誰と何を話したのかわからなくなってしまうこともしばしばだ。これではせっかくのご縁が無駄になり、ビジネスチャンスを失ってしまう。人脈管理専用のノートを作るのもいいが、手間がかかるうえ、時間が経ってから書こうとすると話の内容を忘れてしまっていることも。むしろ、名刺の余白に書き込んでしまうほうが手軽でいい。メモする内容は、初対面の日時、お会いした場所、案件、紹介者、話した内容だ。さらに趣味などのプライベートの話題もあればベター。書き込む情報が多ければ、裏面も利用しよう。こうしておけば、2回目以降に会う際に記憶違いで相手に失礼な発言をするリスクを減らすことができるだろう。

 

取材構成 川端隆人

『THE21』2017年1月号より

著者紹介

鈴木真理子(すずき・まりこ)

㈱ヴィタミンM代表取締役

共立女子大学卒業後、三井海上火災保険㈱(現・三井住友海上)を経てビジネスインストラクタ
ーに。㈱ヴィタミンM代表取締役。企業研修・セミナーはもちろん、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』(明日香出版社)など、現場で本当に使えるビジネスノウハウを簡潔明瞭に伝える著書にも定評がある。

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