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アイデアは「記憶の複合」で生まれる!

2017年07月27日 公開

おちまさと(プロデューサー)

覚えるべきものを見つけたら「脳内のシャッター」を切ろう

あらゆるアイデアや企画は、これまでに培ってきた「記憶」から生まれていると言うのは、人気プロデューサーのおちまさと氏。自分の周りや世の中で起こるさまざまな出来事をどのように記憶としてインプットし、アイデアとしてアウトプットしているのか。その秘訣をうかがった。

 

覚えておきたいことはビジュアルで記憶する

 テレビ番組のプロデューサーとして数々のヒットを放ち、近年は公共施設のプロデュースや行政の分野にまで活動領域を広げているおちまさと氏。独創性に満ちたアイデア、無尽蔵にあふれる企画──その源こそが「記憶」だとおち氏は語る。

「アイデアは『記憶の複合体』だと僕は考えます。僕の企画はすべて記憶を素材としたもの。かつて見た、経験したあの風景とあの要素を組み合わせたら面白い、という着眼が、新たな発想を生んでいます。

 そしてそれは、普通は人が覚えていないような事象であればあるほど、エッジが立った企画になります」

 おち氏の中にあるそうした経験群は、「ビジュアル」の形で記憶されているという。

「写真のシャッターを切るように、これぞと思う出来事や情景を脳内に保存する習慣があります。そのビジュアルは静止画であることもあれば、音や動きを伴う『動画』になっていることもあります」

 その特異なスキルを、おち氏は幼い頃から意識的に培ってきた。

「『企画』という言葉さえ知らなかった6~7歳頃から、そうした方面に妙な才能を感じていました。自分は、『面白いものを作る力』だけは誰にも負けないかも──幼心にそう思いました」

 そして、それが「記憶する意志」と決定的に結びついたのは数年後。映画『ジョーズ』を観た、10歳のときのことだった。

「このとてつもない映画を作ったのはスピルバーグという28歳の人なのか、僕もこういうものを作る人間になりたい! と強烈に思い、それには『面白い』と感じたことを頭の中に記録することだ、と心に決めました」

 当時のおち少年は、「大人は物事をどんどん忘れる」ということにも気づいていた。

「いじめに遭って死ぬほど悩んでいる子に、先生も親たちも『気にするな』とか『やり返せ』とか、ひどく呑気なことを言うんですよね。『大人は、自分が子供だった頃の生々しい感覚を忘れてしまうのだな』と痛感しました。

 だから、覚えておきたいことは意識的に記憶しなきゃいけないし、そのときは出来事のみならずそれに伴う感情や心の機微も記憶しよう、と強く思いました。その思いとともに始めた記憶の蓄積が、今につながっています」

「初めての体験」は記憶に残りやすい >

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著者紹介

おちまさと(おち・まさと)

プロデューサー

1965年、東京都生まれ。東京スカイツリーソラマチ室内遊園地の総合プロデュースをはじめ、IT、アパレル、外食、食品、不動産、保育園や子供関連など、ジャンルを越えた企業のCBO・顧問・ネット戦略のブランディングを務める。厚生労働省イクメンプロジェクト推進メンバー。著書多数。

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