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なぜ、中堅社員ほど、やる気を失うのか?

2017年10月12日 公開

山本 寛(青山学院大学経営学部教授)

 

「自分の職場」以外を見ることが大切

 人がやる気を起こすのはワクワク感があるとき。新しいことに直面したり、やったことのないことに挑戦するときにワクワク感は生まれます。

 目標を見出せず、中だるみしている社員にワクワク感を取り戻させるために会社がやるべきことは、“変化の刺激”を与えることです。要所要所で変化の刺激を与えていかなければ、社員の成長は停滞し、その結果として、会社、組織の成長も望めなくなるのです。

 中だるみしている中堅社員は、表面上はやる気のなさ、成果の停滞といった問題を抱えていますが、経験も豊富で実行力も備わっているため、うまくマネジメントすれば戦力となり得る存在です。

 それでは、どんなテコ入れ策が有効なのでしょうか。まず、するべきことは、「ジョブローテーション」を積極的に行なうことです。せっかく一人前にしたのだから他の部署には回せない……などという声もあるでしょうが、それでは長期的に見た組織の活性化・発展にはつながりません。

 ニトリホールディングスでは、「5年同じ部署にいれば化石になる」という信念のもと、どんどんと配置転換をしており、それが社員、そして会社としての成長の一因であると私は見ています。

 また、積極的に「異業種研修」を取り入れることもお勧めします。他業界の、同じようなポジションの同世代との交流や、グループ内企業同士での研修の機会を作ることで、新しい刺激を受けたり悩みを共有したりでき、そこから新たな視点や仕事の工夫を学ぶことができます。

 アサヒグループホールディングスでは、グループ外のまったく業種の異なる他社に社員を出向させ、異文化環境での経験を通じて成長を促す「武者修行研修」という研修制度があります。それまでとは異なる仕事内容の職場で部下をマネジメントし、業績アップはもちろんのこと、問題解決や職場改善に取り組むのです。

 また、最近注目されている「副業」を解禁することもモチベーションアップにつながります。社員の副業を認める企業は少しずつ増えていますが、注目すべきは、副業をやっている社員の多くが、「本業に役立った」と実感していることです。

 副業は本業とは関係ないことをしている人がほとんどですが、本業とは別の視点で物事を考えることが、結果的に本業でのマンネリや行き詰まりを打破するきっかけになり得るのです。ただし、本業に影響をきたさないように、「活動は就業時間外とすること」など、それぞれの会社に合わせた枠組みを決めることは必要だと思います。

 さらには「留職」という新しい試みもあります。NPO法人クロスフィールドが提供するプログラムで、社員を一定期間、新興国の団体や公的機関に赴任させ、現地の問題解決に取り組ませるというものです。

 半ばルーティンワーク化していた自社での仕事や、それまでの自分の経験を活用して現地の問題や課題を解決することで、社員は自分の仕事の社会的意義を見出し、仕事への誇りや新たな目標を育むことができるのです。

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著者紹介

山本 寛(やまもと・ひろし)

青山学院大学経営学部教授

1957年、神奈川県生まれ。79年、早稲田大学政治経済学部卒業後、銀行勤務、大学院などを経て、2003年より現職。メルボルン大学客員研究員歴任。専門は、人的資源管理論、キャリアデザイン論。著書に、『「中だるみ」社員の罠』(日経プレミアシリーズ)など。

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