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アフリカに突如現れた「ドイツ流お役所仕事」(ナミビア)

2017年11月08日 公開
2018年01月05日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(27)石澤義裕(デザイナー)

「余暇に働く」のがナミビア流

アフリカでありながら、ドイツ並みに生産性の高いナミビア警察。

高い生産性は充実した私生活の賜物ですが、ご近所さんレベルの庶民ともなると、目的と手段は逆転します。

私生活の充実が優先順位の最上段に鎮座し、仕事は二の次というか、ついでです。

『働かないわけでもないけれど、普通に給料を貰い、基本プライベート』

究極のフリーランス流ワークライフバランス、「余暇に働く」です。

 

「朝ごはんは、何時にしますかー?」

宿のレナは、28歳独身の住み込み従業員。機嫌がいいときは、無駄に明るい娘さんです。

「8時にお願いします~」

で、翌朝8時、ダイニングに行くと真っ暗。食卓の上は、昨夜の食べ残しが散乱。

9時ごろになってようやく、レナのお出ましです。

「朝ごはん、食べたいの?」

どちらかというと「食べるの?」みたいな口調。

すみません、お腹すいたですとお願いすれば、眠いのに、空気読めよ!ってな顔をされるわけです。

でもこれで彼女が働き始めると思うのは、早計。シャワーが先です。

推定体重100kgのメガ盛りの裸体にバスタオルを一枚巻きつけ、空いているシャワー室を探して館内を歩き回る姿は、どう見積もっても出勤前。

彼女の逞しい太ももと見えそうで見えないお尻は、TPO的にはいささか問題アリですが、すっかり朝の風物詩です。

シャワーの後こそ、気合いを入れて朝食の準備にかかるかと思えば、それもまた素人の浅はかさ。

卵を焼いたもののナイフやフォークを出さずに姿を眩ましたり、パンを焼いたまま行方不明になるのも毎度のこと。

わけのわからない日本人の朝食より、朝の連ドラのほうが重要なのです。

CMの合間に掃除や洗濯をこなし、トイレ中でも音が聞こえるように大音響。

その音に負けない大声で、四六時中携帯電話しています。

テレビの音は、彼女が起きている証拠です。

静かなときは寝てますから。

 

ローカルの民泊旅行を楽しみたいなら、ぜひナミビアへお越しください。

居候気分を味わえます。


暇があったら、写メ。

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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