ホーム » THE21 » インタビュー » 孫正義氏も納得する資料作りのコツとは?

孫正義氏も納得する資料作りのコツとは?

2017年11月15日 公開

三木雄信(トライオン[株]代表取締役社長)

 

「あの資料作って」と言われたら要確認!

 だが多くの人は、次のアクションを提案するために資料を作ったつもりなのに、上司から「これでは決められない」「判断材料が不十分だ」などと却下された経験があるはずだ。そこで三木氏は、「2段上の視点」に立った資料作りを推奨する。

「上司から『あの資料、作っておいて』と言われたら要注意です。日本語で『資料』と呼ばれるものには、実は『データ』『インフォメーション(情報)』『ナレッジ(知識)』『ウィズダム(知恵)』が混在して、それぞれ質やレベルが異なっています。

 つまり、『あの資料』では、どのレベルの資料を想定しているのか、作り手と受け取り手で齟齬が発生する可能性があるのです。

 では、どのようなレベルかというと、この4つはそれぞれ、組織の階層に対応しています。これが『DIKW理論』と呼ばれるフレームワークです。

 つまり、相手が管理職か事業部長なのか、それとも社長や役員なのかによって、求められる“資料”のレベルは変わるということ。自分が管理職で、事業部長から資料作成を命じられたのだとしたら、その資料は、取締役会で了承をもらうためのものと考えられます。その場合、自分のポジションの2段上の『ウィズダム』の視点を入れなければ、読み手の期待に応えられません。

 少なくとも、上司に『資料を作れ』と言われたら、どのレベルを求めているのか最初に確認すべきです。加えて、作成の過程でも上司とこまめに方向性を擦り合わせれば、相手が期待したとおりの資料を作れます」

 たとえば、売上げ報告書を作るなら、DIKW理論を使って、次のようにレベルアップしていく。

「『データ』とは、それ自体は意味のない数字や記号のこと。『新宿店の月次の売上げ』といった生の数字を報告書に書いても、相手が管理職以上なら、『だから一体、何が言いたいんだ?』と突き返されるだけです。

 データを『インフォメーション』に加工するには、『その数字や情報がどんな意味を持つか?』を示さなくてはいけません。たとえば、『過去1年の新宿店の売上げ推移』をグラフ化した結果、『10月は他の月より売上げが50%増加した』とわかったとします。さらに、ここ数年も同じ傾向があったとしら、これを報告書に書けば、上司は来年の10月も売上げが増えると予測できるので、『この月は店舗スタッフを増員しよう』といった戦術を立てることができます。

 その上の『ナレッジ』は、『事業をどう展開すべきか?』という戦略です。よって、インフォメーションをさらに掘り下げて分析し、『来年度の店舗売上げを前年比150%にするには、広告宣伝費を3割増やすべきだ』といった提案を、分析した根拠とともに盛り込みます。

 最上位の『ウィズダム』は、『なぜこの会社がその事業をするべきか?』という理念やビジョンを示すもの。マーケット全体を分析し、『現在の社会人向け事業に加え、子供向け事業にも参入すべきだ』といった提案にまで踏み込めば、取締役会でも通用する報告書になります」

孫社長が「回帰分析」の習得を命じた理由とは? >

癒しフェア2018 東京(8月)、大阪(3月)出店者大募集!!

著者紹介

三木雄信(みき・たけのぶ)

トライオン〔株〕代表取締役社長

1972年、福岡県生まれ。東京大学経済学部卒業。三菱地所〔株〕を経て。ソフトバンク〔株〕入社。27歳で社長室長に就任。孫正義氏の側で、「ナスダック・ジャパン市場創設」「Υahoo!BBプロジェクト」をはじめ、取多くのプロジェクトを担当。現在は自社経営のかたわら、東証一部上場企業など複数の取締役・監査役を兼任。内閣府の原子力災容対策本部で廃炉・汚染水対策チームプロジェクトマネジメント・アドバイザーを務める。近著に『孫社長にたたきこまれた すごい「数値化」仕事術』(PHP研究所)がある。

関連記事

編集部のおすすめ

11月号特別付録「資料フォーマット集」ダウンロードのご案内

無印良品を変えた、資料のシンプル化&見える化とは?

松井忠三(良品計画前会長)

【本日発売】プロが実践!一発で通る「資料」の作り方

「THE21」11月号のご案内


アクセスランキング

  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする
癒しフェア2018 東京(8月)、大阪(3月)出店者大募集!!

話題のビジネス・スキルをやさしく解説するとともに、第一線で活躍しているビジネスパーソンの
プロのノウハウを紹介するなど、「いますぐ使える仕事術」が満載されています。