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怠惰さを「1ミリ」変えれば、勉強は続く

2018年01月15日 公開
2023年03月23日 更新

坪田信貴(坪田塾塾長/「ビリギャル」著者)

「日記が続く人」は勉強も成功する

 もう1つ、「面倒くさい」気持ちを軽減するのに有効なのが、義務感のリセットです。人は「〜しなければ」と思った瞬間、セットで「面倒くさい」が発生し、心を縛ります。

 これを取り除く工夫をするうえで参考になるのが、「日記」です。「日記を毎日つけられる人は、成功しやすい」と僕は思っています。日記とは、いわば自分の行動の記録。それを振り返って行動を改善し続ければ、非常に強力な自己成長ツールとなり得るからです。

 ところが実際は、多くの人が三日坊主で放り出しがちですね。その挫折のきっかけはというと、「出張先に日記帳を持っていくのを忘れた」「1日空いてしまうと嫌になって、やめてしまった」などがよくあるケースでしょう。

 日記を続けられる人は、手元に日記帳がなくても平気です。ホテル備えつけの便箋や、レストランの紙ナプキンなどに書いて、帰宅してから日記帳に貼ればいいと考えるからです。つまり「〜しなければ」といった義務感とは無縁なのです。

 対照的に、日記が続かない人は「〜しなければ」を作り過ぎ。「このペンを使わないと」「毎晩寝る前には必ず書かないと」などと考えるのはムダ。書く道具など何でもいいし、朝に書いたっていいのです。

「面白いことを書かないと」という思い込みもナンセンス。「今日は書くことがない」と思って頭をかかえていては、そのうち億劫になるだけ。そんな日は「特になし」や「昨日と同じ」と書いておけばOKです。

 記録というものは、ありのままのことを、ただ書いていくことです。たった一言だけの記述でも、貴重なデータです。五年後に読み返したとき、「この時期は平坦だったんだな」「毎年5月ごろは、いつもこうだ」などの発見ができます。

 勉強についても同じことが言えます。「机の前に座ってやらなくては」「このノートを使わなくては」などと考え出すと、その条件が満たせないときに、身体が止まってしまいます。

 トイレの中で勉強してもいいですし、ノートがなければチラシの裏で代用すればいいのです。学びに関連することを、とにかく何かしてみる。それを毎日少しずつ続ければ、振り返ったときに膨大な勉強量となっているはずです。

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著者紹介

坪田信貴(つぼた・のぶたか)

学習塾「坪田塾」塾長

心理学を駆使した学習法により、1,300人以上の子供を個別指導し、多くの生徒の偏差値を短期間で急上昇させた実績を持つ。2013年、著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(KADOKAWA)が大ヒット。その後も受験指導のみならず、企業の人材教育や起業アイデアの指導、講演活動等多角的に活躍中。

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