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仕事の中で上手に休む、手抜きの仕方とは?

2018年01月11日 公開
2023年01月23日 更新

<連載>MBA医師が教える 40代からの「疲れリセット」術(5)裴英洙(医師/ハイズ代表取締役社長)

 

休憩中は夕食のことを考えよう

 最後に、本当に休んでいるとき――ランチタイムや休憩時の過ごし方について考えてみましょう。

 せっかくの休憩時間に、「身体は休んでいても頭や心が休んでいない」状態になってはいないでしょうか。失敗を引きずったり、心配事で落ち着かなかったりと、過去や未来に気を取られて、「今」の休息を浪費してしまっているとしたらもったいない話です。休憩中は頭を働かせず、リラックスすることが大事です。

 とはいえ、ただ「雑念を払おう」「心を静かにしよう」などと念じるだけでは、かえって焦りが増幅しがちです。よほど悟った人でない限り、雑念は次々湧いてくるものだからです。

 そんなときは、休みなのだから頭を無にしようなどと思うのではなく、「たわいない楽しいこと」を考えるのが早道。「今日の夕飯はなんだろう」「週末は何をして遊ぼうか」など、呑気かつポジティブなことを考えましょう。

 これは「リプレイスメント」と呼ばれるやり方で、頭の中にあるイメージを別のイメージに置き換えることにより、疲労感を頭の外に「押し出す」方法です。単純ですが、手っ取り早く休息モードに入るのに有効です。

 このように、「休むコツ」を意識して、短時間でも効果的な休息を手に入れられるよう、日々の業務の中の「手を抜けるポイント」や、生活の中の「ちょっと嬉しい瞬間」などを考えてストックしておきましょう。

 そして、少し疲れを感じたら、それらを使ってこまめにリセットするのが賢い方法です。小さな休息のモトを使って、常時元気に働ける態勢を整えましょう。

≪取材・構成:林 加愛≫
≪写真撮影:まるやゆういち≫
≪『THE21』2017年8月号より≫

著者紹介

裴 英洙(はい・えいしゅ)

ハイズ〔株〕代表取締役社長/医師/医学博士/MBA

1972年、奈良県生まれ。金沢大学医学部卒業後、金沢大学第一外科に勤務。医師として働きながら、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應ビジネス・スクール)を首席修了。ビジネス・スクール在学中に、医療機関再生コンサルティング会社を設立。現在も医師として臨床業務をしつつ、医療機関経営に関するアドバイスを行なう。著書に、『一流の睡眠「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』(ダイヤモンド社)など。

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