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高学歴王子の国に迫る「シマウマ化」の危機(ボツワナ)

2018年01月05日 公開
2018年04月17日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(29)石澤義裕(デザイナー)

実は何かと厄介な動物、シマウマ

シマウマは、ウマ目ウマ科ウマ属という本家本元の由緒正しい馬ですが、生物学的にはどちらかというとロバです。

しかもどこでどう間違えたのかワンワンと鳴きますから、けっこう人を馬鹿にした動物です。

いずれにしろ馬にしろロバにしろ、走ったり荷物を運んだり、何かと人間の役にたちそうなものの、働いているシマウマを見たことがありません。

かれこれ1年以上アフリカをうろついていますが、一頭たりとも勤勉なシマウマに出会っていないのです。

家畜化は、ことごとく失敗しているのです。

シマウマの性格に問題がありました。

頑固なのです。

言うことを聞かざること、山の如し。

厳しく教育すればなんとかなりそうですが、ライオンを返り討ちにするほど気性が荒いくせに、メンタルが弱いという硬軟併せ持つ柔軟な我がまま加減。どうにも使えません。

頑固が長じると働かなくて済む仕事術は、日本の会社にもいたりしますよね。

それ、シマウマです。

 

昼休み中のシマウマは動かない

件のシマウマが、宿にいました。

洗面所の水道管から水が漏れ、部屋中が水浸しになったときのことです。

あらららたいへん、とオーナーの若奥様が自ら雑巾を手にして、部屋を掃除します。

ふたりの子供たちも率先して手伝います。

ボクらもバケツとモップを使って水をかき出しますが、床に溜まった大量の水はなかなかなくなりません。

そんな大事件のさなか、家政婦のおばちゃんといえば、庭で昼寝。

「昼休みだからっ!」

テコでも動かないのです。

元王子様、国民がシマウマ化しております。


ハンバーガー屋の店員。ひとりで店番しているのに、外で遊んでました。

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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