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「欧米の香り」と「修羅の国」が隣り合わせ!?(南アフリカ)

2018年02月06日 公開
2018年02月07日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(30)石澤義裕(デザイナー)

「最高の街」だったはずが……突然の暗転!

つい先日、風の向くままに町歩きをしていたら、血相を変えたパトカーが逆走して来て、目の前に急停車。

開口一番、怒鳴られました。

「どこを歩いてるんだーっ!」

どこって言われましてもね、風のお導き次第なんで、よくわからないのです。

「ここは、ベリーベリーデンジャラスゾーン!」

「今すぐ、ゲッタウェイ!」

ハッとしてあたりを見渡すと、いつの間にか白人はゼロ。あちらこちらに目つきの悪いエディ・マーフィーと忍びの者みたいな浮浪者。鼻につく小便の匂い。

あ、こりゃ、まずいかも。

ひと目をひかないように気配を消して、そそくさと足早に立ち去ったのですが、貧困街はダウンタウンと背中を合わせていたのです。

後日、この教訓はまったく活かされず、昨日は車で、うっかり貧困層住宅街に突入。トタンだけでできた共同住宅のど真ん中を軽自動車で走ってしまい、サファリパークを自転車で走るより怖かったです。

南アフリカといえば、強盗が強盗に遭うヨハネスブルクが修羅の街として有名ですが、それは昔の話。

2年前の「世界でもっとも殺される都市50(意訳)」によると、ヨハネスブルグは圏外に落ちそうな47位。

逆にケープタウンはトップテン入りして、9位!

赤丸急上昇中!

商売が繁盛すればするほど、セカンドライフが短くなりそうです。


人里離れた僻地の民芸品売り。彼ですら、英語ぺらぺら。講師として、東京に呼びたいくらい。

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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