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ある日突然、過呼吸で倒れた30代エリート

2018年03月04日 公開

中島 輝(心理カウンセラー)

過呼吸に苦しんだエリートはどう立ち直ったのか?

ある日突然「過呼吸」の発作が起き、倒れてしまう……。そんなビジネスマンが増えているという。しかも、それは普段「エリート」と呼ばれる人に多い。その背景には、増え続けるメンタルの問題があった。自身もかつて過呼吸に苦しめられた中島輝氏が、誰もが直面する可能性のある過呼吸の症状とその対処法を説く。

 

日曜の夜、それは突然襲ってきた

Aさんは都内の大手企業に勤める30代の営業マン。社内の業績もよく、将来を嘱望されていました。ところが社内の人間関係に悩み、徐々に心身の不調を訴えるようになりました。私がカウンセリングを担当するようになってまもなく、日曜日の夜に突然、携帯電話が鳴り、助けを求めるAさんの声が聞こえてきたのです。

過呼吸の発作でした。私の家からAさんの自宅までは車で10分ほど。玄関のカギを開けておくよう伝えてすぐに駆け付けると、Aさんは白目をむいて全身を引きつらせ、床に倒れていました。

Aさんに呼びかけると、すぐに意識は取り戻したものの、発作はすぐには収まりません。持参した使い捨てカイロで冷えた体を温め、背中をさするなどして、1時間ほどでようやく落ち着きを取り戻すことができました。

しかし、Aさんの発作はこれ一度では治まりませんでした。1週間後にも再び発作を起こし、救急車で運ばれることになってしまったのです。

私自身も経験があるのですが、過呼吸はまた発作が起こるのではないかと不安になるほど、再発しがちなもの。しかも、発作が起きようとするときに我慢しようとすればするほど、症状が悪化しやすいものなのです。

 

過呼吸発作はメンタルが弱いから起こるのではない

過呼吸の発作を起こしてしまった人が最初に考えるのは、おそらく「自分はこんなにメンタルが弱いんだ」ということではないでしょうか。むしろ、メンタルが強いと自負してきた人も少なくないでしょう。それまではバリバリに仕事をしてきた人が多いのが、過呼吸を起こす人の特徴です。それなのにある日突然、ストレスが原因と見られる発作を起こしてしまった。Aさんもショックだったと思いますが、過呼吸を起こす人は多かれ少なかれ、そうした傾向が見受けられます。

ではAさんは、本当はメンタルの弱い人だったのでしょうか。実は、過呼吸に苦しむ人の多くは、むしろメンタルが強い人といっていいのです。責任感が強く、問題が起きても堂々と立ち向かっていこうとする、仕事でも勉強でも、物事をやり切るだけの力がある――そんな人ほど、ちょっとしたきっかけで陥ってしまいやすいのです。

こうした人たちのことを、私は「逆メンタルが強い人」と言っています。強すぎるがゆえに、無理をして限界を超えたところまで踏ん張ってしまう。そのことに気づかないでいると、身体が反応して過呼吸発作を引き起こしてしまうのです。むしろ、「自分はとても強いメンタルの持ち主なのだ」と視座を変え、そこに生存を見出していくことが必要になるのです。

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著者紹介

中島 輝(なかしま・てる)

心理カウンセラー

心理カウンセラー。小学4年生のころから双極性障害などの心の病に苦しみ、25歳で実家の借金を背負い込んだことからパニック障害と過呼吸の発作が悪化。その後10年にわたって引きこもるも、その中で独学で心理学やセラピーを習得し自らに実践して35歳で克服。現在まで1万名を超えるクライアントに心理カウンセリングを行い、その95%が回復している。著書に『大丈夫。そのつらい日々も光になる。』(PHP研究所)他、多数。

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