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余計な仕事を引き受けない! 「NO」と言う技術

2018年04月16日 公開
2023年03月23日 更新

能町光香(リンク代表取締役)

「愛のある」断り方で人間関係が変わる!

 断ることに慣れていないと、曖昧な伝え方をしてしまい、「断ったつもりだったのに、それが伝わっていなかった」ということが起きがちです。誤解されずにうまく断るポイントをご紹介しましょう。

 1つ目は、「なるべく早めに断る」。時間が経てば経つほど、断りにくくなります。2つ目は、「余計な言い訳はしない」。断ることを恐れるあまり、言い訳をいろいろと考えがちですが、余計な言い訳はかえって相手の感情を逆なでする原因になりかねません。シンプルに断るのがベストです。

 3つ目は「断る理由を述べる」。理由がないと、「なぜ断られたのだろう」と相手を悶もん々もんとした気持ちにさせてしまいます。明確な理由を1つか2つ挙げるとよいでしょう。

 ビジネスの場面で避けたいのは、「都合がつけば行きます」といった伝え方です。OKなのかNOなのか曖昧な返事は、相手を困惑させるだけです。

 以上の3つのポイントを押さえたうえで、日本人の美徳でもある「相手を慮る気持ち」を意識してみると、コミュニケーションに奥行きが生まれてきます。

 たとえば、営業の売り込みがあったときに、「個人的には興味があるのですが、部署としての採用は難しいと思います」と伝えることで、相手への配慮を感じさせながら、きっぱりと断ることができます。断られても、相手はそれほど嫌な感情は持たないはずです。相手を立てながら、断るためのやむを得ない理由を述べる。こうした愛のある断り方をぜひ身につけたいものです。

 くり返しになりますが、断ることは悪いことではありません。断るときはキッパリと断るほうが、相手にとってわかりやすいですし、裏表のない姿勢が、信頼関係を構築するきっかけになります。プロとして仕事をするに当たっては「断る」ことが不可欠だということをぜひ、意識してほしいと思います。

 

取材構成 前田はるみ

 

『THE21』2018年3月号

著者紹介

能町光香(のうまち・みつか)

〔株〕リンク代表取締役/日本秘書アカデミー代表/人材育成コンサルタント

青山学院大学、The University of Queensland大学院卒業。京都大学経営管理大学院(MBA)在学中。留学後、10年間にわたり、外資系企業数社にて、経営層を補佐するエグゼクティブ・アシスタント(社長・重役秘書)を務めたのち、独立。現在は、企業研修や講演、執筆活動を行なう。。21万部のベストセラー『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』(クロスメディア・パブリッシング)、『なぜ一流のリーダーは東京-大阪間を飛行機で移動するのか』(扶桑社新書)など著書多数。

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