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「隠れブラック企業」の見分け方

2018年06月11日 公開
2023年03月14日 更新

新田龍(ブラック企業アナリスト)

新田龍

口コミサイトは悪い情報が強調されやすい

二つめは、当該企業のウェブサイトやネットの口コミ情報です

企業のホームページが情報不足だったり、リンク切れの記事が目立つ場合、ウェブサイトさえ十分に管理できないレベルの会社と判断できます。

自社の強みについて、「あなたの頑張りをしっかり評価!」「アットホームで風通しのいい社風!」など、抽象的なキーワードばかり並ぶ会社も、「それ以外にアピールできる要素がない会社」と読み取れます。

最近増えている転職口コミサイトは、実際にその会社で働いていた人の生の声を聞ける点では有益です。ただし、今の会社に何らかの不満を持つ人が書き込むことが多く、悪い面がクローズアップされやすいことを念頭に置いて情報を取捨選択すべきです。

会社の情報を正しく知るには、口コミサイトだけに頼らず、「転職を希望する会社のライバル企業」に在籍する人に会って話を聞くことを勧めます。

同業他社から見た印象を聞くことで、客観的な情報を入手できるからです。今はSNSなどを使って知り合いを辿れば、目当ての人を見つけることは可能です。特にミドル世代の転職は人生を左右する重大局面ですから、それくらいのエネルギーを費やす価値はあるでしょう。

 

待遇面の質問に答えない会社はあやしい

三つめは、会社説明会や面接など、企業と接触する段階です。

面接回数が少なかったり、面接時間が短いにも関わらず、なぜかあっさり受かってしまった会社は怪しいと疑ってください。常に一定数の退職者を見込み、「頭数さえ揃えば誰でもいい」と考えるのがブラック企業の特徴です。

残業や休日、給与など、待遇面に関する質問にきちんと回答できない会社もブラックの可能性大。何も後ろめたいことがなければ、自信を持って答えられるはずです。

「面接で待遇について質問すると印象が悪くなるのでは」と心配する人がいますが、相手が答えを濁したり、「残業時間を気にするなんて、やる気がないのか」などと反論してくるなら、「この会社は信用できない」と判断するまで。

「入る前にブラック企業だとわかってよかった」と考えればいいだけなので、気になることは遠慮なく質問してください。

この三段階で情報を精査すれば、ブラック企業の大半は見抜けます。情報過多の時代だからこそ、何が本当に正しいか見極めるリテラシーを身につけてください。

 

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