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ビジネス書ベストセラーで振り返る「平成」

2018年05月05日 公開

THE21編集部

懐かしのビジネス書から「時代」を読む

「平成」の元号もいよいよあと1年。平成になってからの約30年の間に、ビジネスの世界においてもいろいろな変化があった。ビジネス書のベストセラーはその時代の仕事や働き方を知る「バロメーター」とも言われる。そこで、平成に入ってからのビジネス書ベストセラーを紹介しながら、「働き方」のトレンドの変化を振り返ってみたい。ベストセラーが映し出す、この30年の「働く人」の変化とは?
(※ベストセラーランキングの出典はトーハン調べ)

 

日本人は自信を持ち「世界」を見据えていた

「ベストセラーは世の中を映す鏡」だとよく言われるが、ビジネス書のベストセラーもまた、その時代のビジネスマンの姿を映し出す鏡と言える。

平成が始まった1989年は、日経平均株価が過去最高値を記録した年でもある。同年に発刊されたのが『「NO」と言える日本』(石原慎太郎・盛田昭夫著、光文社)。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代だけに、国際社会の中での日本の地位や役割に関する著書が目立つ時代でもあった。

また、落合信彦氏の国際情勢本の多くがベストセラーとなり、1991年のベストセラーに大前研一氏の『世界の見方・考え方』(講談社)が入るなど、全体的に世界への関心が高い時代だったといえる。1992年のビジネス書ベストセラーは、落合信彦氏の『ウォッチ・ザ・ワールド』(集英社)を始めとして、実に上位3つまでが国際情勢解説本。現在の日本は内向きだといわれることが多いが、この時代は明らかに「外向き」だったことがわかる。

ただし一方で、1990年のベストセラーには『日はまた沈む』(ビル・エモット著、草思社)が入っている。絶好調の影で、日本経済の凋落の兆しを感じ取っている人もいたということだろう。
 

バブル崩壊後は「自分を高める」にシフト

1989年をピークに株価は下落を続け、1995年には阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が相次いで発生。日本人が自分たちのやってきたことに対して自信をなくし、今後どうすべきかに迷い始めた時代と言える。

その年に発刊され、ベストセラーとなったのが『脳内革命』(春山茂雄著、サンマーク出版)と『「超」勉強法』(野口悠紀雄著、講談社)。自分の能力を高めることこそが、不確実な時代に生き残る唯一の道と考える人が増えたのかもしれない。

その他にも『知の技法』(東京大学出版会)、『7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著、キング・ベアー出版)など、自分の脳力を高めるための本が「未来予測本」を抑えて軒並み上位に入るようになった。

また、その未来予測本に関しても、『「大変」な時代』(堺屋太一著、講談社)、『人間を幸福にしない日本というシステム』(カレル・ヴァン・ウォルフレン著、毎日新聞社)など、不安定化する時代を表わすようなタイトルが増えてくる。ベストセラーランキングを眺めるだけでも、当時の空気感が蘇ってくるようだ。

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