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中国経済を牽引する「ハングリーな40代経営者」たち

2018年05月17日 公開

江口征男(GML上海/ Y&E総経理)

「チャンスを掴む」が成功への唯一の道だった

今の40代のハングリーさを支えているのは、一つにはこの時代背景です。これまで中国では、コツコツ頑張って仕事をして成功する……というキャリアモデルは存在していませんでした。最近でこそ外資系企業やIT企業では、経営幹部やエリート技術者に高い報酬を出す例も増えていますが、それもここ5~10年くらいの話です。

今の40代が育ってきた時代においては、「チャンスを逃さず掴む」のが成功を手にする唯一の方法でした。「これは儲かるかも」という話があれば、そこに全財産を投入する。株や不動産が上がるタイミングで一気に勝負をかける。ビジネスチャンスと見れば、政府へのコネをフルに動員して実現を図る……。

果敢にチャレンジして失敗するのは我慢できるけれど、目の前のチャンスをみすみす逃しては後悔してもしきれない、というのが彼らの基本的な考え方なのです。

その裏には、コツコツ頑張ったところでいつ政府の方針が変わり、努力が無駄になるかもしれないという恐れもあるでしょう。だからこそ、いち早く機会に飛びつき、早く稼いで利益を確定させようとするのです。

 

「会社一択の人生」はもはや通用しない

人に騙されたら「騙されたほうが頭が悪い」と言われ、政府も信用できず、自分の身は自分で守らねばならない中国。それを「民度が低い」「まだまだ発展途上」という言葉で片づけるのは簡単です。しかし、そんな中国、中国人のほうが元気があり、結果的にうまくいっているという現実から目を逸らしてはいけないと思います。

そして、今の日本もまた、中国同様に不安定でカオスな状況に陥りつつあるように見えます。たとえば、シャープ、東芝、神戸製鋼といった大企業が経営危機に陥るなど、10年前には信じられなかったでしょう。安定を求め大企業に入り、長年貢献してきたにもかかわらず、突然の経営危機により人生設計が狂ってしまった40代の同世代の日本人の話も聞きます。そのような不運な方の話を聞くと、確かに可哀想だと思います。

しかし、中国人と10年以上渡り合ってきた立場であえて書かせていただくと「考え方が甘い」と言わざるを得ません。なんとなく今の立場が危ういことに気づきながらも、「私に限ってそんな不幸は訪れない」と勝手に思い込み、会社頼みの一択を無意識のうちに選んでいたということだからです。

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著者紹介

江口征男(えぐち・まさお)

GML上海総経理

Tuck (Dartmouth) MBA。横浜国立大学大学院工学研究科修了。外資系経営コンサルティング会社、子供服アパレル会社を経て2007年より中国上海移住。現在上海にて経営コンサルティング会社2社(GML上海、Y&E)を経営。著書に『中国13億人を相手に商売する方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。中国ビジネスに関する講演、執筆多数。

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