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知的でわかりやすい説明には「型」がある

2018年05月18日 公開

犬塚壮志(元駿台予備校化学講師、東京大学大学院生)

予備校の授業で使っていた「キラーワード」

「これがわかると、こんなことができるようになるんです!」

「これをわかっていないと、こんな悲惨な結果になってしまうかもしれません」

手垢のついたフレーズかもしれませんが、こういった言葉を説明の冒頭に入れるだけで、やっぱり相手の意識って変わるんです。私も、予備校の授業では、次の言葉をキラーフレーズとして多用していました。

「これは絶対に入試で出るところで、……」

「これができないと他の受験生に差をつけられちゃうよ」

「これのどこがキラーなんだか」ーーそう思う方もいるかもしれませんよね。

人によってはちょっと薄っぺらに聴こえてしまうフレーズかもしれません。あるいは「私の仕事では使えない……」という意見もあるでしょう。

ただ、このメカニズムを理解してもらえれば、どんな相手でも振り向かせることができるテクニックに化けます。

 

即効性のある「欲」を、相手の目の前にぶら下げる

実は、このキラーフレーズの本質的な機能は、人が誰しももつ〝欲〟と〝恐怖〟を刺激することなのです。〝欲〟はメリットをみせ、〝恐怖〟はデメリットやリスクを伝えるのです。説明する側は基本的に、「これから自分が説明することに対して、相手は後ろ向きという可能性があるな」――それくらいに思っておかなければなりません。

そのため、まずは聴き手の意識を180度変えてこちらを向いてもらうところから始めます。先の例で説明しましょう。

「これは絶対に入試で出るところで……」

このフレーズは、「それを知ったら即点数につながる!」という受験生の〝欲〟を刺激することが目的です。

タテマエ抜きにして、受験生はとにもかくにも点数が欲しいのです。自分の行きたい大学に受かるために何が何でも得点力を身につけたいというのが本音なのです。

学問的な興味ももちろんあるかとは思いますが、先にもお話ししたように、受験生全員がすべての科目に対して前向きというわけではありません。嫌いな科目だって勉強しなければならない後ろ向きの状態が必ず存在します。そのため、自分の説明を聴いてもらうためには目に見えるニンジンをぶら下げるような言葉も極めて大切なのです。

まずは、聴き手の〝欲〟を刺激することが説明の初めの一歩なのです。

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「欲のすげ替え」はより高等なテクニック >



著者紹介

犬塚壮志(いぬつか・まさし)

 (株)士教育代表取締役/コンピテンシー・ブランドプロデューサー

福岡県久留米市生まれ。元駿台予備学校化学科講師。業界最難関といわれている駿台予備学校の採用試験に25才の若さで合格。駿台予備校時代に開発したオリジナル講座は、開講初年度で申込当日に即日満員御礼となり、キャンセル待ちがでるほどの大盛況ぶり。その講座は3,000人以上を動員する超人気講座となり、季節講習会の化学受講者数は予備校業界で日本一となる。「教育業界における価値協創こそがこれからの日本を元気にする」をモットーとし、講師自身の「コア・コンピテンシー」を最大限に生かした社会人向けビジネスセミナーの開発や講座デザイン、テキスト作成などを請け負う事業を興す。予備校講師時代の経験を生かし、自分ブランドを活用した教育プログラムをビジネスパーソンや経営者に向け実践中。また,企業向け研修講師としても登壇し、さらに企業研修そのものをプロデュースするビジネスもスタートさせる。その傍ら、東京大学大学院で「学習環境」をテーマとした研究も行う。主な著書に、3.5万部越えのベストセラーとなった『頭のいい説明は型で決まる』(PHP研究所)、『偏差値24でも、中高年でも、お金がなくても、今から医者になる法』(KADOKAWA)などがある。

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