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記憶のコツは「フック」を作って「連想ゲーム」で覚えること

2018年08月03日 公開
2023年03月14日 更新

山口佐貴子(尽力舎代表)

 

フックとなるキーワードと連想を活用しよう

 具体的な記憶術としては、「フック」を作ることが効果的です。

 押さえておくべきキーワードさえしっかり覚えておけば、すべてを丸暗記しなくても、キーワードがフックとなって、関連する内容を思い出すことができます。

 人には、視覚で覚えるのが得意か、聴覚で覚えるのが得意か、身体を動かして(身体感覚で)覚えるのが得意かの、三つのタイプがあります。ですから、キーワードを覚えるときは、自分がどのタイプなのかを意識して、自分に合った方法を選びましょう。

 視覚派の人なら、漢字をビジュアル的なデザインとして捉える。聴覚派の人なら、声に出して読み、自分の声を耳で聴く。身体感覚派の人なら、自分の手で何度も書く、といった方法で覚えるわけです。

 また、連想ゲームで記憶することも有効です。

 たとえば、視覚派の人が「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を覚えるなら、その言葉が載っているテキストのページに、大きなエビフライが家(ハウス)の上に乗っているイラストを描く。

 聴覚派の人が日本の国土面積「377972.28平方キロ」という数字を覚えるなら、「みんな泣くなニン。ニヤ」と語呂合わせをして、口に出す。意味が通らなくても、自分がわかればいいのです。

 身体感覚派の人なら、イラストを描く手の動きを空中で繰り返したり、語呂合わせを繰り返し口に出して、そのときの口の筋肉の動きを覚える――。

 このように、感覚と結びついた連想を使って覚えると、テキストの文字を見ているだけよりも記憶しやすくなります。

 

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著者紹介

山口佐貴子(やまぐち・さきこ)

〔株〕尽力舎代表取締役

大手企業勤務後、パートナーと2つの会社を立ち上げる。2002年、ラーニング・ストラテジーズ社公認フォトリーディングインストラクター。17年、同シニアインストラクターに世界で初めて認定された。フォトリーディング講座を主催する他、「ライフリモデル理論」を提唱し、それを学ぶ塾も開催。2009年より、ラジオ番組『ベストセラーズチャンネル』のパーソナリティーも務める。著書に『勉強も仕事も時間をムダにしない記憶術』(大和書房)など。

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