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AI・ビッグデータ時代の今こそ学ぶべき「分析」の作法とは?

2018年05月29日 公開
2023年03月14日 更新

嶋田毅(グロービス経営大学院教授/グロービス出版局長)

これが「人を動かす」分析の条件だ

もう1つ別の角度から良い分析の条件を考えてみましょう。ここでも基本は人を正しい方向に動かすことです。では、人を正しい方向に動かす分析とはどのようなものでしょうか? これにはさまざまな要素がありますが、最も重要なのは、その分析をベースにした提言に対して受け手が納得感を持ちやすい分析です。

つまり、「私はこう考える。なぜなら……」の論理展開が明確だと人は納得しやすいのです。こうした論理展開を作れるような分析が良い分析となるわけです。逆に言えば、どれだけユニークな大発見があったとしても、それが、当面必要とされている、人を動かすという結果につながらなければ、価値は小さいということです。

 

 

上の図を見てください。この分析でのポイントは、「私はこう考える。なぜなら……」の論理展開が分かりやすいことに加え、その根拠の柱となる「このまま競合にB教授との共同研究で先んじられると苦労しそうだ」という因果関係、すなわち原因と結果の関係が比較的容易に想像できることです。

つまり、根拠が明確でかつその根拠に蓋然性の高い因果関係が含まれていれば、「じゃあ、そうしようか」ということになりやすいのです。

 

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