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ピタゴラスが発見した「音楽」と「数字」の意外な関係

永野裕之(永野数学塾塾長)

2018年06月05日 公開 2023年03月14日 更新

「ピタゴラス数秘術」とは?

ほどなくして、ピタゴラスたちは「万物は数である」というスローガンを掲げるようになります。特に整数とその比を神のように崇めるようになったピタゴラスたちは、1~9の数字に意味を付ける「ピタゴラス数秘術」なるものを編み出しました。

数秘術とは、西洋占星術や易学等と並ぶ占術の一つで、ピタゴラス式の他はカバラ式等が有名です。現代の数秘術が定める数の意味は、流派によって違いがありますが、ピタゴラスたちが行った意味付けはおよそ次のとおりです。

1 理性
2 女性
3 男性
4 正義・真理
5 結婚
6 恋愛
7 幸福
8 本質
9 理想と野心
10 完全・宇宙

ピタゴラス数秘術を使った最も一般的な占い方は、生年月日の数字を全て足し算した結果(2桁の数字になります)の各位の数を足して、最後に出てきた数字の意味を見るという方法です。例えば、1974年7月18日生まれなら、

1+9+7+4+7+1+8=37
→3+7=10

ということで「完全・宇宙」となります。

また、数字を直接計算にあてはめることもできます。

2+3=5 「女性+男性=結婚」
2×3=6 「女性×男性=恋愛」
4+5=9 「正義+結婚=理想」

数字に強い人は、たいていひとつひとつの数に「個性」を感じているものです。それだけに「万物は数である」と信じていたピタゴラスたちがこのような意味付けを行ったことはある意味当然の成り行きだったのかもしれません。

(出典:『東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた数に強くなる本』)

著者紹介

永野裕之(ながの・ひろゆき)

「永野数学塾」塾長

1974年、東京生まれ。暁星高等学校を経て東京大学理学部地球惑星物理学科卒。同大学院宇宙科学研究所(現JAXA)中退。レストラン経営、ウィーン国立音大への留学を経て、現在は個別指導塾・永野数学塾(大人の数学塾)の塾長を務める。これまでにNHK、日本経済新聞、プレジデント、プレジデントファミリー他、テレビ・ビジネス誌などから多数の取材を受け、週刊東洋経済では「数学に強い塾」として全国3校掲載の1つに選ばれた。プロの指揮者でもある(元東邦音楽大学講師)。著書に『東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法』『数に強くなる本』(PHPエディターズ・グループ)、『大人のための数学勉強法』(ダイヤモンド社)など多数。

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