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経験が武器にならない時代の「上司・部下関係」のコツ

2018年11月10日 公開

<連載>10年後も生き残るために明日からできる仕事のコツ(1) 河野英太郎(グロービス経営大学院客員准教授)

 

コツ1 仕事でもSlack

 Slackというメッセージアプリをご存じでしょうか。LINEのようなチャットツールの一つで、ミレニアル世代には利用者が多くいます。

 ところが、「SlackやLINEはビジネスシーンに相応しくない」と、仕事で使うことを上司が認めず、それに対して部下が不満を持っているケースが少なくないようです。

 しかし、本当に大切なことは、気軽に報告・連絡・相談をしてくれる関係を部下との間に築くことです。そのためには、部下が使いやすいツールは認めてあげるべき。どんどん使ってもらったほうが、コミュニケーションが活発になります。

 また、私は、部下が連絡をくれたとき、どんな内容であっても、最初に「連絡ありがとう」とお礼を返すようにしています。「上司に連絡をすると、迷惑かもしれない」と思っている部下は意外と多いので、「連絡をしても迷惑ではないんだな」と感じてもらうためです。

 

コツ2 「性善説」で部下を見る

 コミュニケーションを活発化させることは、部下のモチベーションを高めることにもつながります。「良い上司は優れたモチベーターである」というのが私の持論。部下に、思う存分、力を発揮してもらうには、部下のモチベーションを高めることを第一に考えなければなりません。

 モチベーションを高めるためには、部下のやりたいことやキャリアビジョン、仕事に対する考え方などを把握することも必要です。定期的に1対1で面談を行なうことも大切ですが、それに加えて、日々、こまめにコミュニケーションを取ることで、部下の考えを理解しやすくなります。部下の本音を聞くためにも、気軽にコミュニケーションを取れる関係性を築いておくことが重要なのです。

「やりたい仕事やキャリアビジョンがある部下なんて少数派。やりたい仕事なんてない部下のほうが多い」という上司もいるでしょう。

 しかし、よく観察していれば、部下が何にモチベーションを持っているのかを発見できるはずです。「本当は何かやりたいことがあるんだろ?」などとしつこく聞くと、かえって心を閉ざしてしまいますから、根気よく探りましょう。

 その際、「誰でも『成長したい』という気持ちを持っている」という「性善説」で部下を見ていると、部下がモチベーションを高める瞬間に気づきやすくなります。

 

コツ3 やりたい仕事を任せる

 部下のやりたいことや将来のキャリアビジョンを把握したら、できるだけ早く、その部下がやりたい仕事をさせてあげることが大切です。「20代だからまだ早い」などと年齢や経験に囚われずに、どんどん挑戦してもらいましょう。

 仕事を任せても、上司があれこれ口を出しては意味がありません。部下のやりたいようにやらせてあげることが重要です。従来とは違う新しいやり方を取り入れようとすると、「やめたほうがいい」と言いたくなるものですが、その言葉はいったん飲み込んで見守りましょう。

 ただし、部下に仕事を任せると、会社のビジョンやミッションと違う方向に進んでいってしまうことがあります。そうならないように軌道修正することこそが上司の役割だと、私は考えています。

 上司は、知識やスキルが部下におよばなくてもいい。ただし、部下を会社のビジョンやミッションへと正しく導くことが、これからの時代の上司には、これまで以上に求められるのです。

 

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著者紹介

河野英太郎(こうの・えいたろう)

日本アイ・ビー・エム部長/Eight Arrows代表取締役/グロービス経営大学院客員准教授

1973年、岐阜県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。〔株〕電通、アンダーセンコンサルティング〔株〕(現・アクセンチュア〔株〕)などを経て、日本アイ・ビー・エム〔株〕にて、コンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門リーダー、サービス営業などを歴任。2017年に〔株〕Eight Arrowsを起業し、代表取締役に就任。著書に、ベストセラーとなった『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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