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「構造」を意識して読めば、文章を書く力が身につく

2018年11月06日 公開
2023年03月14日 更新

渋谷和宏(『日経ビジネスアソシエ』創刊編集長/経済ジャーナリスト)

誰でもお手本にできるスポーツノンフィクション

 とはいえ、何をお手本とすべきかわからない方もいるでしょう。

 そこでお勧めしたいのが、スポーツノンフィクションです。スポーツノンフィクションの読者は、幅広い層を含んでいます。サッカー好きの小学生や、野球に興味を持ち始めた女性など、年齢や性別、職業はまちまちです。

 だからこそ、多くの人を魅了する文章をわかりやすく書くノウハウが満載なのです。 

 文藝春秋社の雑誌『SportsGraphic Number』の記事や『江夏の21球』で有名な山際淳司氏の作品などがお勧めです。

 スポーツに興味がない方は、わかりやすく人を惹きつける文章の好例として、沢木耕太郎氏のルポルタージュなどを手に取ってみてはいかがでしょうか。

 第一線で活躍するプロの文章は、構造だけでなく、言葉使いや一文の長さなど、わかりやすく伝えるための様々な工夫が凝らされています。型を前提に、どう文章を崩しているかも参考になります。

 様々な文章から書き方のヒントを探してみて下さい。

 

『THE21』2018年10月号より

著者紹介

渋谷和宏(しぶや・かずひろ)

作家・経済ジャーナリスト、大正大学表現学部客員教授

1959年横浜市生まれ。1984年日経BP社に入社。日経ビジネス記者として取材、執筆を行う。1998年同誌副編集長、2002年日経ビジネスアソシエを創刊し初代編集長を務め、2006年4月18日号では10万部を突破する。日経ビジネス発行人などを務めた後、2014年3月末、日経BP社を退職、独立。現在は作家、TVコメンテーター、ラジオパーソナリティーなど幅広く活躍している。
主な著書に長編ミステリーの『銹色(さびいろ)の警鐘』(中央公論新社)『罪人(とがびと)の愛』(幻冬舎)、ノンフィクションの『稲盛和夫 独占に挑む』(日本経済新聞出版社)など(以上、渋沢和樹の筆名)。主な出演番組は『シューイチ』(日本テレビ)『森本毅郎・スタンバイ!』(TBSラジオ)『まるわかり!日曜ニュース深堀り』(BS-TBS)『渋谷和宏・ヒント』(TBSラジオ)など。趣味はランニングと大衆酒場めぐり。

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