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「家づくりの匠」の仕事の流儀は「一歩進んで二歩下がる」?(ルワンダ3)

2018年11月08日 公開
2023年03月14日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(39)石澤義裕(デザイナー)

曲がりまくりのIT立国

ルアンダで家を建てる……。

日本人の技術があれば簡単そうですが、曖昧さを許さない四角四面な性格では難しいです。

一見すると普通の家でも、実はひとつも直角が取れていません。どの部屋も微妙に歪んだ台形です。

古代エジプトやピタゴラスの残した直角は、IT立国を標榜するルワンダにおいてでさえ85~95度。

直角がファジーですから水平垂直もファジー、あながち左官屋だけを責めるのも酷な話なのです。

とは言えですね、

「あれー、ガラスが足りないや」

1日で済む仕事を2日に伸ばしたガラス屋や、

「ワイヤーを忘れちゃった。また明日~」

笑って帰った電気工事士。

施工した2日後に、上手に水漏れさせた水道屋。

どちら様もひと粒で2度美味しい仕事術でして、鈍感力がないと付き合いきれないルワンダです。


タイルを貼ると、直角でないことがわかります。

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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