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しつこい頭痛が治らない!そんな人は「噛み合わせ」を見直そう

2018年11月12日 公開

領木治良(歯科医師、りょうきデンタルオフィス院長)

その頭痛の原因は「歯」にあるかもしれない

やっかいな慢性頭痛に悩まされている人も少なくないだろう。そんな中、開業以来16年間、頭痛の治療に取り組む歯科医の領木治良氏は、「その原因は『噛み合わせ』にあるかもしれない」と指摘する。一見まるで無関係に感じられる「歯」と「頭痛」。しかし、「偶然見つかった」と話す治療法により、慢性頭痛の改善例は400以上にものぼる。頭痛に悩む人がぜひ知っておきたい「頭痛と歯の関係」とは?
(取材・構成=佐野裕)

 

頭痛に悩む、多忙な女性の駆け込み寺

現在、日本全国には慢性頭痛に悩む方が、潜在的な患者さんも含めて3500万人ほどもいると推定されています。

当院に来られる頭痛持ちの患者さんに限ると、仕事を目一杯頑張る女性に比較的多く、頭痛だけでも耐えがたいのに、吐き気やめまいを伴ったり、視野狭窄を起こしたり、ひどい場合には、指先が痺れてパソコンのキーボードを的確になぞれなくなる人や、ほんのわずかな光でも眩しくて「目が痛い」と叫びだすほどの人までおられます。

当然ながら、そんな方たちはまず、脳とかの怖い病気ではないかと脳神経外科を受診します。が、MRI等で精密に調べても何も異常は認められなかった。でも痛みは去らない。ならばと「ペインクリニック・頭痛外来」などの医療機関を訪れます。

それでもなぜ、最終的に歯科医師の私のところに来られるのか?

頭痛持ちの方ならご存知でしょうが、慢性頭痛は根本的治癒が難しい病態と言われています。上記の頭痛外来での一般的な治療では、痛み止めの薬を処方された上で、「なるべく静かな場所でこまめに休憩を」、「ストレスや疲れを溜(た)めないように」、「生活習慣を改善しましょう」など、対症療法的なアドバイスをされて帰されるケースが多いようです。

しかし、頭の痛みを薬で抑えるのには限界があります。お薬の耐性ができてしまうため、次第に効果の持続時間が短くなってゆきます。必然的に、患者さんは頭痛に耐えられなくなり、様々な医者を渡り歩くことになる。最終的に、歯科医の私のところへ藁をもつかむ思いで駆け込んでくるのです。

 

まったくの偶然から慢性頭痛の治療法を発見!

歯科医師の私が頭痛治療と向き合ったのは、全くの偶然からでした。

16年前、顎関節症に悩む50代の女性が来院されました。同時にこの患者さんはひどい頭痛持ちでもあったのですが、あくまでも目的は顎関節症の治療です。ところが、顎関節症用に私が作り、ちょっと一工夫を凝らした、やや特殊なマウスピースを付けてもらったところ、1週間ほどで頭痛が消えてしまったのです。

その後も同様の症例が続きました。歯の治療で訪れた"頭痛持ち"の患者さんにマウスピースによる矯正を施すと、なぜか頭痛が治ってしまうのです。

やがて、私の中にある仮説が浮かびます。ひょっとすると慢性頭痛(偏頭痛や緊張型頭痛)の主原因は「歯の噛みしめ・食いしばり」にあるのではないか?と。

では、どんなカタチのマウスピースが噛みしめ・食いしばりに効果があるのか。私はこの課題に取り組み始めました。

苦労したのは、人によって歯の噛みしめ方が全く違うことです。垂直方向にグーッと噛む人もいれば、小さく歯ぎしりするように噛む人もいる。中には1度グッと噛みしめてから、回転するように歯を擦り合わせるといった具合に、言葉では説明しづらい多種多様な噛みしめ・食いしばり方がそこにはありました。

それらに対応するために、マウスピースの片側だけを長くしたり、歯と歯の間をブリッジでつないだりなど、様々な形を試しました。最終的には、一般的に歯医者が使う「すべての歯を覆う形のマウスピース」ではなく、覆う歯の本数を減らすのが効果的だとわかりました。6年ほど前に6本の歯を覆うマウスピースに減少し、ここ2~3年は「歯4本ぶんだけのマウスピース」に落ち着いてきています。

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著者紹介

領木治良(りょうき・はるよし)

歯科医師、りょうきデンタルオフィス院長

慢性頭痛治療も手掛ける歯科医師。りょうきデンタルオフィス院長。1994年、鹿児島大学歯学部卒業。2001年まで東京都中央区、千代田区、渋谷区の各歯科医院に勤務する。2002年に「りょうきデンタルオフィス」を開院。同年から慢性頭痛に対する治療を手がけはじめる。

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