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上司も答えを持てない時代の「問題解決」のコツ

2019年01月10日 公開

<連載>10年後も生き残るために明日からできる仕事のコツ(3) 河野英太郎(グロービス経営大学院客員准教授)

 

コツ3 納得いかなくても採用

 若手に問題解決を任せると、おそらく、自分では思いつかないような解決策が出てきます。中には、これまでの経験と照らし合わせると、うまくいくとは思えないものもあるでしょう。

 しかし、だからといって、提示された解決策を即座に否定するのはやめましょう。あなたが理解できないだけで、実際には非常に良い方法かもしれないのですから。それを潰してしまったら、老害以外の何物でもありません。

 若手から解決策を提示されたら、何か言いたくなっても、1回、その言葉をぐっと飲み込みましょう。そして、その解決策にはどんなメリットがあるのかを聞き、目的や会社の理念からズレていないことを確認したら、多少納得がいかなくても、積極的に採用するべきです。

 自分の力では解決できない問題を解決するためには、そうした度量を持つことが不可欠です。

 

コツ4 忙しい人にも遠慮しない

 自分の部署で会議を重ねても、どうやって解決すればいいのかわからない。そもそも、どこに問題があるのかさえもわからない……。そんなときに、自分たちだけでウンウンうなっているのは、時間のムダです。他の部署や社外の人の意見を聞いてみましょう。

 問題の当事者ではない第三者は、客観的に物事を見ることができます。社外の人に対しては、企業秘密が漏れないように細心の注意を払う必要はありますが、多くの場合、良いヒントが得られます。

「忙しそうな人に相談したら、迷惑がられるのでは」「相手にメリットがないから、意見を求めても断られるのでは」と心配する人がいますが、遠慮することはありません。何か相手が困ったときに、今度は自分が助ければいいだけの話です。

 それでも相手に迷惑だと思われたくないなら、相手に負担感のない形で意見を求めましょう。

 例えば、わざわざミーティングを設けてもらうのではなく、電話やメールで軽く話を聞けばいいのです。そうすれば、相手も気楽に対応してくれます。

 

コツ5 「正しさ」よりも「速さ」

 解決策に辿り着いても、いざ実行するとなると、「本当にこの方法でいいのだろうか」と迷ってしまう。そんなことも少なくありません。実行のために動く人数が多ければ多いほど、悩むことでしょう。

 しかし、私は、間違っていてもいいから、素早く意思決定をして、実行するべきだと考えています。

 なぜなら、問題解決をするうえで最も非効率な行動は、間違った解決策を実行することではなく、意思決定を先送りにして、何もしないことだからです。間違っていたら、それを修正することで、問題解決へと一歩前進できます。しかし、何もしなければ、絶対に前に進めません。

 また、あらゆる物事のスピードが上がっている今、じっくり考えて正しい答えを導き出していては手遅れになることもあります。

 近年、ソフトウェアやシステムなどの開発では、「アジャイル」と呼ばれる手法が主流になっています。不完全でもいいので短期間でベータ版を作り、顧客に使ってもらって修正点を見つけ出して、徐々に完成度を高めていく手法です。

 かつては、長期間をかけて完璧な完成品を作り上げる「ウォーターフォール」型の開発が主流でしたが、今では、アジャイルで作ったほうが、良いものをスピーディに仕上げられると考えられています。

 アジャイルの考え方は、IT業界に限らず、どの業界でも取り入れられるはずです。

 

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著者紹介

河野英太郎(こうの・えいたろう)

日本アイ・ビー・エム部長/Eight Arrows代表取締役/グロービス経営大学院客員准教授

1973年、岐阜県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学水泳部主将。グロービス経営大学院修了(MBA)。〔株〕電通、アンダーセンコンサルティング〔株〕(現・アクセンチュア〔株〕)などを経て、日本アイ・ビー・エム〔株〕にて、コンサルティングサービス、人事部門、専務補佐、若手育成部門リーダー、サービス営業などを歴任。2017年に〔株〕Eight Arrowsを起業し、代表取締役に就任。著書に、ベストセラーとなった『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ』『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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