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デザインに大切なことはすべて、ウガンダのマンションから教わった(ウガンダ)

2019年01月09日 公開
2019年01月09日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(41)石澤義裕(デザイナー)

ウガンダ職人の仕事の流儀は「揃えない」

ウガンダ
あれ買えこれ買えと、営業熱心なおばちゃん。おしゃれな服を着てますから、そうとう儲けてるようです。ピグミー族の村にて。

アフリカあるあるですが、シャワールームの棚はどれもこれも斜めに傾いています。

ウガンダの場合、正確さに欠けるというより、ムラに満ちた仕事の成果です。

ネジ山が削れるほどキツく締めているネジの隣は、半分しか締めてなかったり。上下左右に踊っていたり、そもそもネジの種類が揃っていないので、「揃える」「並べる」「均等」といった工程を省略することによって、人件費を浮かしているのです。

ここでひとつ、建築家に質問です。

ガス台の真上に木製の食器棚がありますが、これ、燃えますよね?

机の上だけでデザインをするから、事件は現場で起きる!って言われるわけで、ホント、勉強になります。

煮込み料理をすると家が焼ける構造的欠陥よりも問題なことがありまして、玄関の鍵。

取り付けネジが見えるドアノブなので、ドライバーひとつで開けるピッキング要らず。

プロの空き巣が泣いています。

 

実はこの世に存在しないマンションだった!?

さて、クレーマーみたいなことを長々と書きましたが、カンパラの南青山にそびえる王様的眺望ですから、重箱の隅をいくら突ついてもお買い得なマンションです。

駐車場がガラガラなので、「半分以上は売れ残り→捨て値のダンピング」という夢のような商談を期待して販売会社を探したところ、なんとなんとなんとっ!

いくらネットで検索しても、販売会社もマンションもヒットしません。

マンション名や住所はもちろんのこと、SNSや不動産屋の物件情報サイトにも該当するものがありません。

Googleを駆使しても、一件もヒットしない幻の新築マンション!

Now get the chance!

 

ウガンダ
狩りをするピグミー族。混血が進んでいるので、最近の若者は背が高い。

著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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