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「不機嫌な職場」はなぜ、増え続けているのか

2019年01月28日 公開

相原孝夫(人事・組織コンサルタント)

不機嫌な職場

しかめっ面で社内を歩き回る役員、メールを見て無意識に舌打ちする上司……。今、多くの職場は不機嫌に溢れている。「これ以上、オフィスに居たくない!」という悲鳴が聞こえてきそうだ。そこで、人事・組織コンサルタントとして、様々な企業の職場改善に携わる相原孝夫氏に、心地よい職場を作る方法をうかがった。

※本稿は『THE21』2019年1月号より一部抜粋・編集したものです。(取材構成・『THE21』編集部

 

「不機嫌な職場」が増えている背景とは

今、なぜ不機嫌な職場が増えているのか。最も大きな原因の一つは、対話量の低下です。

私たちは、対話を重ねなければ、相手が何を考えているのか理解できません。すると、疑心暗鬼に陥ってしまいます。

その証拠に、コミュニケーション不全の職場では、「こっちの部署は苦労しているのに、あっちはラクしやがって!」という類の会話をあちこちで耳にします。全社員、頑張って働いているのに、苦労をわかり合えない。

こうした不満が、イライラした社員を増やしていく。その集大成が「不機嫌な職場」なのです。

では、なぜ対話が減っているのか。その原因は、大きく以下の三つに分類できます。

一つは、話す余裕がない。

働き方改革が進み、残業時間が制限された職場では、目の前の仕事に手一杯で、人と話す余裕はありません。

特に、中間管理職は、部下を早く帰すために自ら大量の仕事を引き受けています。精神的にも時間的にもゆとりがないというのが実態でしょう。

二つ目は、同じ組織内に険悪な関係の人がいることです。

よくあるのは、年上の部下と年下の上司の仲が悪いケース。両者の醸し出す気まずい雰囲気が、部署全体に伝染し、周囲が気を遣って対話量が減っていきます。

また、協力し合わなければならない部署の部門長同士が険悪だと、部下同士のコミュニケーションも減っていきます。気を遣って、あえて相手の部署と連携を取らなくなったり、上司がよからぬことを部下に吹きこんで話さなくなる事例もあります。

三つ目は、連帯感の希薄化。

以前の会社組織はほとんど大卒男性正社員で構成されていたので、仲間意識が強く、話題も共通していました。一方、現代は契約社員、シニア社員に外国人など、多様な人材が一つの企業で働いています。話題が多様化すると、何を話せばいいかわかりづらくなり、対話は減っていきます。

さらに、行き過ぎた成果主義も連帯感の希薄化に拍車をかけているかもしれません。短期的な数値目標にばかり追われると、どうしても個人主義に陥ってしまうので、連帯感が生まれにくくなります。

こうした職場では、全社最適を掲げながら、肝心な情報は共有しないということが往々にして起きています。

現代は、不機嫌が醸成されやすい環境が整っています。それによって、怒鳴り散らしたり、不満をぶちまけたり、ねちねちと人の失敗を責め立てる社員が増殖し、モチベーションダウンする社員や大量の離職者を招き、優秀な若手社員から辞めていきます。

その結果、会社全体の業績が低迷していくのです。

この負の連鎖は一度動き出すとなかなか止まりません。まずは、不機嫌による環境の悪化が、全体の生産性を下げていることに気づくべきでしょう。

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著者紹介

相原孝夫(あいはら・たかお)

人事・組織コンサルタント

早稲田大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。マーサージャパン代表取締役を経て、㈱HRアドバンテージ代表取締役社長に就任。診断型組織開発で職場の状況を可視化し、それをもとに職場力を高める企業支援をしている。著書に『会社人生は「評判」で決まる(日本経済新聞出版社)、『仕事が出来る人はなぜモチベーションにこだわらないのか』(幻冬舎新書)など多数。

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