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ブロックチェーンは、なぜ複式簿記以来の大発明なのか

2019年01月25日 公開

神田昌典(経営・マーケティングコンサルタント)

15世紀イタリアの「複式簿記」という革命

要するに、ブロックチェーンの最も革新的なことは何かと言えば、「信用のベースを容易に作れる」ことなのだ。

この「信用のベースを生み出す」ことに関して、約500年前にも一つの革命が起こった。それは、15世紀後半にイタリアから広がったとされる「複式簿記」だ。

初めて会った人とビジネスをするに当たり、その人が信用できるかを、どのように判断すべきか。実は、複式簿記が発明されるまでは、その人の勘か、誰か信用に足る人の推薦しかなかった。

あるいは、「神」におうかがいを立てるしかなかった。神父が白と言えば白だし、黒と言えば黒。つまり、客観的に判断する材料はなかったのである。

複式簿記の発明により、取引を正確に記録できるようになった。帳簿を見れば、その人や組織がどのくらいのお金を持っているのか、本当に信用できるのかが、誰でも判別できるようになった。その結果、お金の貸し借りが活発になって、経済が急拡大した。これが、複式簿記が革命的と言われるゆえんである。

 

「改ざんできない」ことはいかにすごいのか?

ところが、複式簿記をもってしても、その信用は国が公認した仲介人、つまり金融機関や公認会計士がいなければ、成り立たなかった。現代でもしばしば聞かれる「改ざん」の問題である。その複式簿記が本当に正しいのかは、専門家が判定しなくては証明できなかったのだ。

長らくその構造は変わらなかったのだが、ついに、その構造を5世紀ぶりに根本からくつがえす存在が現れた。それが、ブロックチェーンだ。

「一度記録されたものが改ざんされない」というブロックチェーンを使えば、金融機関や公認会計士がいなくても、国などの中央集権組織がなくても、すべての人と人とが信用によってつながれる。つまり、誰でも信用を創造することができ、社会体制の抜本的な変革ができてしまうのである。

そのことに気づいた世界の人々が、この信用創造の技術を使って、多様な新しい仕組みを生み出しつつあるわけだ。

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著者紹介

神田昌典(かんだ・まさのり)

経営・マーケティングコンサルタント、作家

上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士(MA)、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済局に勤務。その後、米国家電メーカー日本代表を経て経営コンサルタントとして独立。多数の成功企業やベストセラー作家を育成し、総合ビジネス誌では「日本のトップ
マーケター」に選出。2012年、大手ネット書店の年間ビジネス書売上ランキング第1位。ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。
主な著書に『2022――これから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)、『ストーリー思考』(ダイヤモンド社)、『成功者の告白』(講談社)、『非常識な成功法則』(フォレスト出版)など多数。
アルマ・クリエイション株式会社代表取締役。一般社団法人Read For Action代表理事。

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