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iPhoneを生んだ「横に広げる」思考法とは?

2019年02月08日 公開

木村尚義(創客営業研究所代表取締役)

 

「当たり前」を疑ってみよう!

 では、ラテラルシンキングは、どうすればできるのか。

 型にはまらない発想がラテラルシンキングですから、「こうすればいい」という型は存在し得ないのですが、コツはあります。

 それは、

(1)前提を疑う
(2)抽象化する
(3)セレンディピティを活かす

 です。

 iPhoneは、(1)によって生まれた製品の典型例です。携帯電話メーカーがどこも「ボタンの使いやすさが重要だ」と考えていた中、ジョブズは「いっそボタンをなくしてみよう」と考えて、iPhoneを作りました。

 当たり前だと思われていること、重要視されていることを、あえて「なくしてみたら?」と考えると、新しい発想が生まれるのです。

 (2)の「抽象化」は、あるモノや事象と、それとは遠くかけ離れたモノや事象との間に、共通性を見つけ出すことです。

 先ほどの「どん兵衛タクシー」は、インターネットとタクシーという、一見、まったく違うモノの間に、「広告媒体」という共通性を見出したことによって生まれました。

 抽象化する力を鍛えるためには、普段から、まったく違うものの間に共通性を見つけ出すトレーニングを積むのがいいでしょう。

 テーブルの上に置いてあるコップとボールペンが目に入ったら、その共通性を考えてみる。すると、例えば、「中身がなくなったら、入れ替えて使うもの」という共通性に気づけるかもしれません。

 こうした思考回路を鍛えると、新規ビジネスを着想する力がついていきます。

 (3)のセレンディピティとは、「思わぬ偶然」のこと。偶然、何かが起こったら、新しいひらめきを得るチャンスです。

 とりわけひらめきが起こりやすいのは、トラブルやハプニング。「ピンチのときに苦し紛れに考えついたことが、意外と名案だった」というケースは多いものです。

 失敗もチャンスです。その場しのぎで対応した方法を、「その後も活かせないか?」と考えるクセをつけましょう。

 偶然、情報が目に入ってくるのを待つのではなく、「偶然を拾い出す」習慣をつけるのも有効です。「今日は店の看板を意識する」「今日は風邪薬に注意する」などとテーマを決めておくと、それに関する情報が自然と目につきます。

 このときも、自分の業界に直結しないモノに注目するのがいいでしょう。そうしたほうが、自分の業界の中からは生まれない、新しい発想を得やすくなります。

 もちろん、何かをひらめいても、すぐにビジネスに活かせることは少ないと思います。しかし、何年後かになって活かされることは多々あります。

 ですから、それに備えて、メモを取っておくこと。私は、考えついたことをエバーノートに書き溜めるようにしています。

 

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著者紹介

木村尚義(きむら・なおよし)

〔株〕創客営業研究所代表取締役

1962年、東京都生まれ。流通経済大学卒業後、ソフトウェア開発会社を経て、OAシステム販売会社に転職。パソコンショップ運営に当たり、ラテラルシンキングを活用して、売上げを5倍にした。その後、外資系IT教育会社にて研修に携わり、数多くの研修を展開。これまでに3万人以上の受講者を指導。現在、常識の枠外に発想を広げるビジネススタイルを「創客営業」と名づけてセミナーを実施中。近著に『NOロジック思考』(KKベストセラーズ)がある。

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