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リーディングを鍛えるには、「捨てる・飛ばす・投げる」で和訳しない読み方を

2019年02月18日 公開
2023年03月10日 更新

繁村一義(NPO多言語多読理事)

 

「聴く」「話す」「書く」の能力も多読で向上する

 最初に選ぶ絵本は、十数ページくらいで、1ページにつき文章が1~2行程度のものにしましょう。

『Oxford Owl』というサイトでは、「Oxford Reading Tree」という絵本シリーズを無料で読めます。英語を母語とする子供のためにレベル分けされているので、少しずつレベルを上げていくのにぴったりです。

 絵本に抵抗があるなら、ノンフィクションや漫画でもいいでしょう。私はナショナルジオグラフィック社の子供向けの本が好きで、多読にも使っています。大人でも知らない内容が意外と多く書かれていて、楽しく読めます。

 多読は、リーディングだけでなく、リスニング、スピーキング、ライティングにも効果があります。

 例えばリスニングについて言えば、多読をすると日本語に訳すことなく英語をそのままの語順で追うことに慣れるので、耳から入ってくる英語も、そのままの語順で理解できるわけです。わからない単語や表現を飛ばすことにも慣れるので、パニックになることなく、わかるところをしっかりと聞き取ることができるようになり、意味の把握もしやすくなります。

 多読を始めるとTOEICのリスニングテストのスコアが上がる人が多いのですが、それは、こうした理由によるものです。

《取材・構成:塚田有香》
《『THE21』2019年2月号より》

著者紹介

繁村一義(しげむら・かずよし)

NPO多言語多読理事

1955年、広島県生まれ。20歳で英検3級に落ちたレベルから、多読によりTOEIC900点を超え、仕事でも外国人ばかりのチームをリードできるように。現在は、本業のエンジニアとして活躍する傍ら、講演や指導を通して多読の普及に尽力。共著書に『英語多読 すベての悩みは量が解決する!』(アルク)がある。

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