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脳の成長サイクルを促す鍵は、「趣味」を楽しむこと

2019年03月27日 公開

瀧靖之(東北大学教授)

脳

年齢とともに、「頭が働かなくなってきた」「記憶力も頭の回転も若い頃より鈍ってきた」と感じる人は多い。脳は、老いには勝てない臓器なのだろうか。それを断固否定するのは、加齢と脳との関係を研究する東北大学教授・瀧靖之氏。脳は「ある条件付きで」年齢を重ねても成長し続けるという。では、その条件とは……?(取材・構成 林加愛)

※本稿は、『THE21』2019年3月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「何もしなければ」脳の働きは鈍くなる

年齢とともに、頭の働きは鈍くなる。世間ではこれが「当たり前」とされています。確かに数々の研究結果からも、人間の「高次認知機能」──判断力・注意力・記憶力などは、何もしなければ20代後半をピークに落ちてくると言われています。

しかし、それは「何もしなければ」の話。ある条件によりその低下を緩やかに、ときには上昇に転じさせることも可能です。

では、何をすればいいのか。ごく単純に言えば、「脳トレ」です。トレーニングを加えれば、学習能力は何歳からでも再び上がり始めます。

働きかけることで脳は一生成長し続ける──これを「脳の可塑性」と言います。

ところで、脳が成長するとき、脳内ではどんな変化が起きているのでしょう。MRI画像を年代別に見ると、脳は年齢とともに萎縮し、同時に神経細胞やそれをサポートするグリア細胞も減少すると言われています。

しかし、トレーニングをすると「脳のネットワーク」が充実する可能性があるのです。細胞同士をつなぐ道が整備され、スムーズに情報が行き来するようになり、脳の働きが良くなると考えられます。

物事の吸収力は大人よりも幼児期や青年期のほうが上ですから、若い頃より時間を多く取ることが必要です。努力の時間を伸ばしさえすれば、そのハンデを克服できるのです。

私も大人になってから英語を習得しましたし、30代後半からピアノを始めて、今ではドビュッシーの『月の光』にトライしています。

「そんなに努力しなければならないのか」と思われたでしょうか? ガッカリするのはまだ早い。実はこの先に、本当の秘訣があるのです。

 

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著者紹介

瀧靖之(たき・やすゆき)

東北大学教授

1970年生まれ。東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。脳のMRI画像データベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを研究。これまでに解析した画像は16万人以上。新聞・テレビ出演、一般向け著書も多数。近著『「脳を本気」にさせる究極の勉強法』(文響社)。

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