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「デキる社員」が、企業を滅ぼす!?

2019年04月18日 公開
2023年03月09日 更新

柴田昌治(スコラ・コンサルトプロセスデザイナー代表)

ミッションを再定義し、現在の仕事を再構築せよ

「目の前の仕事をどうさばくか」を考える前に、「この仕事にはどういう価値があるのか」を自身に問いかける。仕事の前提を疑うことが働き方改革の第一歩です。

では、やるべき仕事と必要のない仕事はどう判別すべきか。それは、自部門の仕事を再定義することから始まります。ミドルリーダーは、社会や業界の変化、会社方針の変化を踏まえ、「自分たちの部署に求められているミッション=役割は何か」を再定義し、構築し直さなければならないのです。

ミッションが明確になれば、「絶対にやるべき仕事」「できればやったほうがいい仕事」「やる必要はない仕事」といった具合に、優先順位をつけることができます。基準がはっきりしていると、意思決定も速くなります。「絶対にやるべき仕事」「できればやったほうがいい仕事」「やる必要はない仕事」は、およそ2対6対2の割合で分けることができます。そこで、最優先事項である2割に、8割の時間とエネルギーを投入します。残りの2割の時間とエネルギーで、「できればやったほうがいい6割の仕事」をさばきます。

これにより、働き方改革の目的の一つである「長時間労働を是正しながら、成果を上げること」に注力できます。

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著者紹介

柴田昌治(しばた・まさはる)

スコラ・コンサルト プロセスデザイナー代表

1979年、東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。
1986年に、日本企業の風土・体質改革を支援するためスコラ・コンサルトを設立。これまでに延べ800社以上を支援し、文化や風土といった人のありようの面から企業変革に取り組む「プロセスデザイン」という手法を結実させた。社員が主体的に人と協力し合っていきいきと働ける会社をめざし、社員を主役にする「スポンサーシップ経営」を提唱、支援している。2009年にはシンガポールに会社を設立。
著書に、『なぜ会社は変われないのか』『なぜ社員はやる気をなくしているのか』『考え抜く社員を増やせ!』『どうやって社員が会社を変えたのか(共著)』(以上、日本経済新聞出版社)、『成果を出す会社はどう考えどう動くのか』(日経BP社)などがある。

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