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「好きなことをして自由に生きていく」に潜むワナ

2019年05月07日 公開

山本健太郎(国際税務リサーチングエディター)

スキルを磨くために留学。しかし……

会社を辞めてもスキルを磨けば希望の仕事ができる。今すぐは無理かもしれないが、スキルを磨く習得期間と考え、その間はとりあえず会社に入る、もしくはフリーランスで仕事をする。起業した場合も、まずは行動を起こせば何とかなる。書籍で書いてあるように行動あるのみ。そう考えていた。

会社を辞めた私は、英語に関わる仕事がしたいと考え、米国へ留学。約一年後に帰国し、好きな仕事をするべく、転職エージェントへ登録。初日からエージェントに多数の求人を紹介された。やはり自分の好きなことを貫けば、転職でも好きな仕事に就けるのだ。英語という武器を持った私をどの会社も必要としている。そう考えていた。

しかし、現実はそう簡単にはうまくいかなった。まずは、転職エージェント。彼らの目的は、顧客の希望の仕事を見つけるのではなく、紹介手数料を稼ぐこと。紹介求人の数は多いものの、以前と同じ業界・職種、そして休みも時間も少ない会社ばかり。ブラック企業で有名な会社がほとんどだった。

そもそも本当に市場価値の高い人間は、転職エージェントに登録する必要がない。仕事を通じて知り合った人など、その人脈から自然と声がかかるものである。自ら売り込まなくても、それを必要としている人から声がかかるのである。

 

そのスキルは本当に「市場価値」のあるものか?

現在、世間で言われている「好きなことをして生きていく」「自由に生きていく」ためには、自分自身にどこでも通用する市場価値があることが最低必須条件である。具体的には、自身のスキルや経験、例えば語学力などが本当にどこでも通用するスキルなのか見極めなくてはならない。それは大企業出身だからとか、所属している会社の規模とはまったく関係ない。むしろ今の時代は、大企業という仕組み化された会社で働いている人の方が、社内でしか通用するスキルしかもっていないことが多い。

そういった市場価値が現在の自分自身に備わっていないのであれば、まずすべきことは、自身の市場価値となるコンテンツが、今いる場所以外で必要としている人が本当にいるのかどうか、会社を辞める前に冷静に見定めることだ。そして、特段ブラック企業ではない限り、自由に生きるという言葉に惑わされ、むやみに会社を辞めてしまってはいけない。

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