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海外の一流の「休み方」は、日本人とどこが違うのか?

2019年06月07日 公開

能町光香(リンク代表取締役)

休みを取って「非日常」を過ごすことがクリエイティビティを高める

 

 日本人が「休み下手」なのは、そもそも仕事や人生に対する考え方が、海外の一流のビジネスパーソンたちと違うからだと、長年、外資系企業でエグゼクティブたちの秘書を務めてきた能町光香氏は話す。なぜ、海外のビジネスパーソンは休暇を重視しているのだろうか?

 

長期休暇の価値は国際会議に匹敵する!?

 数々のグローバル企業で重役秘書を務め、一流のエグゼクティブの働きぶりを間近に見てきた能町光香氏は、海外と日本のビジネスパーソンの「休み方」の違いをしばしば感じたという。

「日本人は、休むことにとかく罪悪感を覚えがちです。しかし外国人は、休みを必要不可欠なものだと捉えています。

 もちろん、外国とひと言で言ってもお国柄は様々で、米国人はオフの時間を大切にしつつも時間を惜しんで働く仕事重視型。対して、私はデンマーク系企業での勤務が長かったのですが、デンマーク人にとっては、休暇の価値は仕事とまったく同じです」

 北欧諸国の人たちには、全般に、「生きることを楽しむ」姿勢が浸透していると語る。

「これは、キャリアの捉え方がそもそも違うということです。

 日本では、キャリアと言うと、仕事とほぼ同義ですね。しかしデンマークでは、キャリアとは『生き方』。人生の中に、仕事、家族、自分自身の楽しみといった要素が同等に存在していると捉えます。

 ですから彼らは、『大事な国際会議』と『夏の長期休暇』を同じくらい重視するのです」

 この姿勢は、長期休暇の予定を立てるタイミングにも表れている。

「日本人が夏休みの予定を立てるのは、だいたい夏前か、暑さが本番に入ってからでしょう。ところが私が勤めていたデンマーク系企業では、そのタイミングは1月でした。まずトップが休暇の予定を入れ、そこから順次、部下も決めていくのです。年明けの出社数日目には、毎年、上司から『今年のサマーバケーションはこの時期にしたいが、大丈夫かな』と確認が入りました。

 休暇とは、年の最初に入れるべき、絶対に動かせない重要な予定なのです」

 

「休む暇がない」のはマネジメント力不足

 もう一つの日本との大きな違いは、休暇期間の長さだ。

「少なくとも3週間は必要という考えが一般的。中には6週間休む人もいます」

 日本人にはとてもムリに思える長さだ。1週間の休暇を取るときでさえ、居心地の悪さを覚えるビジネスパーソンが少なくないだろう。

「そう感じてしまうのはなぜか。そこには二つの側面があると思います。

 一つは、『上司が良い顔をしない』『皆に比べて長く取るのは申し訳ない』という職場への気兼ねです。職場の中で、『休暇=周囲に迷惑をかけないのであれば取っていいもの』という位置づけが暗黙の了解になってしまっているのです。

 これはおそらく、高度成長期の『長く働くほど豊かになれる』社会が醸成した価値観でしょう。そんな社会が機能しなくなった今でも、気兼ねだけが風習として残ってしまっているのです」

 これを解消するには、職場風土の改革が必要だろう。もう一つの側面に関してはどうだろうか。

「二つ目は不安感です。『不在の間に仕事に支障が出たらどうしよう』と考えて、休暇中も落ち着かない人は多いでしょう。

 これは、本人の中で増大している思い込みであることが多々あります。もし思い込みでないとしたら、不在の間でも滞りなく業務が回る仕組み作りができていないことが問題です」

 この問題は、経営者や部課長など、リーダーの立場にある人間が解決すべきだと語る。

「日本人経営者の中には『休む暇なんかないよ』と語る方がよくいらっしゃいますが、そこにはしばしば『自分がいてこそ会社は回るんだ』という自負のニュアンスが含まれています。

 しかし、同じことを海外で言うと、ご本人のマネジメント力不足だと見なされるでしょう。業務が円滑に進む仕組みを作れていないのだ、と」

 

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著者紹介

能町光香(のうまち・みつか)

〔株〕リンク代表取締役/日本秘書アカデミー代表/人材育成コンサルタント

青山学院大学、The University of Queensland大学院卒業。京都大学経営管理大学院(MBA)在学中。留学後、10年間にわたり、外資系企業数社にて、経営層を補佐するエグゼクティブ・アシスタント(社長・重役秘書)を務めたのち、独立。現在は、企業研修や講演、執筆活動を行なう。。21万部のベストセラー『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』(クロスメディア・パブリッシング)、『なぜ一流のリーダーは東京-大阪間を飛行機で移動するのか』(扶桑社新書)など著書多数。

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