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海外の一流の「休み方」は、日本人とどこが違うのか?

2019年06月07日 公開

能町光香(リンク代表取締役)

 

上の立場の人ほどよく休むのはなぜか?

 日本人の場合、寝ているだけで休暇が終わる、もしくは、家事などに忙殺されて疲れたまま仕事に戻る、というケースも少なくない。

「それは、普段から疲れすぎていることが問題です。

 海外のエグゼクティブは、そもそも疲れを蓄積させません。責任の重い仕事をしている人ほど、こまめに休みます。週末に働くこともなく、毎晩7時間、しっかりと眠ります」

 長期休暇以外にも、1週間単位、1日単位、そして1時間でも、こまめな休息を取るという。

「彼らの仕事を見ていると、一気に集中して5分休み、また一気に集中する、というスタイルを取っています。

 リーダーの一番の役割は意思決定であり、疲れるとその精度は落ちるもの。ですから、疲れればすぐ休む習慣が身についているのです」

 こうしたメリハリは、ランチタイムの1時間の中にもある。

「丸の内に勤務していた頃の上司は、ランチを20分で終わらせて、皇居近辺を散歩したり、銀座のギャラリーに足を運んだりする習慣を持っていました。自然や芸術に触れる『非日常』を、こまめに挟んでいたのです。これもまた、アイデア喚起のための工夫です」

 早朝にスポーツをする人が多いのも特徴だ。

「日本に赴任したばかりの上司から、『朝6時にテニスをしたい』と頼まれたことがありました。海外ではエグゼクティブのためにテニスの相手をするサービスは珍しくないのですが、当時の日本でその希望を叶えるのにかなり苦労した覚えがあります。

 ともあれ、まず身体を動かし、シャワーを浴びてから出社するのが定番。1日の最初に身体を目覚めさせれば、直観力や発想力がより高まるのです」

 

「休まない上司」では部下は育たない!

 休息や休暇がもたらすものは、本人の創造性だけではない。

「リーダーが休むと、部下が育ちます。上司が不在の間のオペレーションを考え、他部署と連携して意思決定する。その中で、次代を担う人たちのリーダーシップが磨かれるのです」

 もちろん、それができるようにするためには、日頃からの業務内容の透明化・合理化が欠かせない。

「業務や方針は必ず上司・部下間で共有し、誰かが代わりを務められるようにしておきます。コミュニケーションも綿密に取り、部下が業務を抱え込んでいないか、モチベーションは維持されているか、目標は何か、などを詳しく聞き取ってフィードバックする。こうして職場に『話す土壌』ができていることも、休暇の取りやすさにつながります」

 これは、日本の会社の「休みづらさ」を解決するヒントにもなるだろう。

「業務の透明化と情報共有、日常的な部下育成があれば、『休んでいる間も仕事が心配』という問題はなくなります」

 加えて大事なのは、上司が先立って休みを取ることだと語る。

「休まない上司は、必然的に『部下を休ませない上司』になります。上司が毎日早く帰り、積極的に休暇を取れば、職場の文化が変わります。『今日はNO残業デーだから早く帰れ』と口で言うより、ずっと効果的です。

 部下の『コントロール』から、こうした『マネジメント』へとシフトすることが、今の日本のリーダーに求められているのではないでしょうか」

 

《『THE21』2019年7月号より》
《取材・構成:林 加愛》



著者紹介

能町光香(のうまち・みつか)

〔株〕リンク代表取締役/日本秘書アカデミー代表/人材育成コンサルタント

青山学院大学、The University of Queensland大学院卒業。京都大学経営管理大学院(MBA)在学中。留学後、10年間にわたり、外資系企業数社にて、経営層を補佐するエグゼクティブ・アシスタント(社長・重役秘書)を務めたのち、独立。現在は、企業研修や講演、執筆活動を行なう。。21万部のベストセラー『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』(クロスメディア・パブリッシング)、『なぜ一流のリーダーは東京-大阪間を飛行機で移動するのか』(扶桑社新書)など著書多数。

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