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なぜあなたの情報は、AIに「筒抜け」なのか?

2019年06月14日 公開

嶋田毅(グロービス経営大学院教授)

機械がもたらす「発見」「分析」の功罪とは?

 

 皆さんは「テクノベート(Technovate)」という言葉をご存じだろうか。これは、テクノロジー(Technology)とイノベーション(Innovation)を組み合わせた言葉で、主にITに代表されるテクノロジーによって進化、あるいは変化していく新しい経営の在り方を指す言葉である。

 そんなテクノベート時代には、当然テクノロジーへの理解も欠かせない。ビッグデータ、ブロックチェーン、RPA、MaaS……そんな必須の基本用語をわかりやすく解説して1冊にまとめた『テクノベートMBA 基本キーワード70』(PHP研究所)から、今回は「データマイニング」「プロファイリング」についての解説を一部抜粋して紹介する。

 

機械が人間にはできない「発見」をしてくれる

 データマイニングとは、数多くのデータの中から、ビジネス上で有益となる示唆を導き出すことを指す言葉です(マイニングは「発掘」の意味)。データマイニングという言葉自体は昔からあり、実践もされてきました。しかし、近年はビッグデータが充実し、AIが進化したことにより、数万人の顧客の、項目が数百にも及ぶデータを、ものの数分で計算できる時代になりました。その結果、これまで以上に有益かつ人間が気づきにくいデータが見つかることが期待されています。

 データマイニングの古典的成功事例としては、野球におけるセイバーメトリクスが挙げられます。これは、メジャーリーグの球団、オークランド・アスレチックスが「給料は安くても強い球団を作るにはどうしたらよいか」という問題に対して、「打率、打点、ホームラン数、盗塁数といった昔ながらの指標ではなく、別の指標で見た方が掘り出し物の選手を見つけられるのではないか」と考え、発展したものです。

 実際にアスレチックスは試行錯誤の末、「OPS」(出塁率+長打率)という指標が得点能力と関係が深いこと、かつOPSが高いのにサラリーが安い選手が多数いることに気がつきました。そこでそうした選手をかき集めて、給料の総額は安いのに、強い球団を作り上げたのです(ちなみに、攻守走すべてに優れた数字を残している選手は、得点創出能力以上にサラリーが割高になることも発見したそうです)。

 

 

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