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ハピキラFACTORY「大きい会社だけが良いとは思わない。『誇り高き小ささ』というポジションを目指す」

2019年06月20日 公開

【経営トップに聞く】正能茉優(ハピキラFACTORY代表取締役)

 

モノ作りをする「すごい人」を、少し後押ししているだけ

 

 ――扱う商品としては、お菓子が中心?

正能 最近は、石井食品〔株〕さんという、千葉県にある食品メーカーのコンサルティングを、ここ1年半ほどさせていただいています。ミートボールでご存じの方も多いかもしれません。

 ――それはどういう経緯で?

正能 学生時代の友人に、石井さんというエンジニアの友人がいて、ある日、「家の仕事を継ぐからエンジニアを辞める」と言っていたので、「おうちは何をやってるの?」と聞いたら、石井食品さんでした。

 ――具体的には、どんなことをしているのですか?

正能 例えば、既存の商品のミートボールの容器を変えて、『どこでもミートボール』という商品を企画しました。現在は、東京駅や上野駅などのエキナカにある「紀ノ国屋アントレ」さんなどで販売されています。

 石井食品さんがつくられているミートボールって、メインのユースケースはお弁当用なんです。密閉されたパッケージをおうちで開けて、お弁当箱に詰めて持って行く。つまり、この商品の魅力は「温めなくても美味しい」ということにあると思いました。

 だから、お弁当箱に入れなくても、新幹線での移動中におつまみとして食べてもいいし、おかずとしておにぎりと食べてもいいはず。容器を変えれば、食べ方が変わると考えました。

 それで考えたのが、固い底のある容器にミートボールを入れ、楊枝もセットにして、その場で開けて、食べて、捨てられる『どこでもミートボール』という商品です。

 あまり目立たないけれどこだわったポイントとしては、「ソースの量」があります。ソースが多すぎると開けたときにソースが飛び散ってしまいますし、少なすぎると味が物足りなくなってしまう。そこで、30g、35g、40g……というようにソースの量を変えて、持ち歩いて開けたり、食べたりして、最適なソースの量を決めました。

 パッケージデザインも、自分でラフを描いて、先方のデザイナーさんと相談しながら作ってもらいました。

 ――そうした「見せ方」を考えられる人は、社内にはいないのでしょうか?

正能 もちろんいらっしゃると思います。ただ、私も普段、モノ作りをしているのでわかるのですが、きっと、そこまで余裕がないんですよね。中身を作ることに99%の力を使ってしまうので、どう見せるかって1%の力で考えているイメージです(笑)。

 ――だから、外部の人が必要とされる。

正能 そうなんです。でも、本当に良いモノが作れるすごい人たちなのに、その作ったモノの魅力が伝わりきらないのはもったいないじゃないですか。だから、そこを見せ方でお手伝いできたらと思っています。私たちは、すごい人たちの「あと一歩」の後押し係です。

 例えば、『どこでもミートボール』の話をすると「面白いモノを作ってるんだね」と言っていただけることも多くてうれしいのですが、そもそもお肉を仕入れて、この大きさのこの形に加工して、できあがったものの品質管理をして、在庫管理もして、といったことのすごさたるや。私は、できあがってきたモノに、ちょこっと手を加えているだけですから。逆の立場だったら「ナメんなよ」と言いたくなると思う(笑)。だから、尊敬の気持ちは常に意識して表現するようにしています。

 

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著者紹介

正能茉優(しょうのう・まゆ)

〔株〕ハピキラFACTORY代表取締役

1991年生まれ。東京都出身。2010年、慶應義塾大学総合政策学部入学。12年、小布施若者会議を創設。その後、〔株〕ハピキラFACTORY創業。卒業後は大手広告代理店に就職。現在は大手電機メーカーに転職し、ハピキラFACTORYの社長も務める「パラレルキャリア女子」。その経験を活かし、2016年度、経済産業省「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」最年少委員に。慶應義塾大学大学院特任助教。2019年より、内閣官房「まち・ひと・しごと創生会議」最年少有識者委員にも。

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