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「気軽に相談に乗る」上司が、実は生産性を下げている?

2019年06月20日 公開
2023年03月02日 更新

金村秀一(ウィルウェイグループ社長)

整理整頓がなければ、生産性は上がらない

社員が取り組むべき生産性向上とは、あくまで「効率的に仕事をこなす」という意味です。同じ仕事量をどれだけ少ない人数、時間でこなすことができるか。どれだけ少ない工程で完成できるかなど。こうした「効率的」な生産性向上のためのキーワードは、「整理」と「整頓」です。

ここでいう「整理」とは、必要最小限度までいらないモノや仕事を捨てることです。一見、簡単なように聞こえますが、やってみるとこの「整理」がとにかく難しいのです。なぜなら、今やっている仕事は全てが必要で、無駄なものはないと思って、日常仕事をしているためです。

 

上司は仕事を「捨てさせよう」

ですから、基本的に仕事を捨てることができるのは社長と上司です。日頃から部下の仕事内容に関心を持ち、必要のない仕事を捨てさせることです。いらない仕事が見つかり削減されることで、時間が生まれ新たな仕事に取り組めます。

次のキーワードは「整頓」です。これは必要最小限になった仕事に順番を決め、順番通りに仕事を進めることです。「仕事上手は整頓上手」と言われるほど、仕事の順序を整えることで仕事の成果、生産性は大きく変わります。

ここで重要になってくるのが、次にやることが明確になっていることです。数多くの仕事をすると仕事と仕事の間に「次は何をしようか」という考える時間も数多く生まれます。実はこの考える時間も塵も積もれば山となり、生産性を下げる理由になっています。自分でやること、仲間に任せること、アウトソーシングすることなどの順番が決めて整えてあることで、考える時間は短くなり、本人も驚くほどの仕事を進めることができます。

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著者紹介

金村秀一(かねむら・しゅういち)

ウィルウェイグループ社長

成功し続ける社長のための経営塾『100年塾』塾長。
1973年東京生まれ。東京国際大学卒。1995年、弱冠21歳の時に創業。企業のWEB制作や顧客管理、マーケティングサポート、飲食業界、人材派遣業界など会社の成長ステージに合わせて事業を展開し、労働生産性は中小企業の3倍と高い生産性を実現。これまで四半世紀の経営経験から得たノウハウと、右肩上がりの高収益企業を創造する経営計画書による経営の仕組みを、社員30人未満の小さな会社の社長を対象とした経営塾『100年塾』で2012年から主宰。
著書は累計3万部を超える。最新刊に「右肩上がりの会社が必ずやっている現場ルール(自由国民社)」。

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