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伝わる企画の立て方……まずは全体の構成・骨子から考えよう

2019年07月17日 公開
2023年03月10日 更新

大塚寿(営業サプリ)

売れる企画書のコツは「まずはフワッと」書くこと

業界によっては企画書や提案書の内容によって受注、失注が決まってしまうパターンがある。

しかし、若手やコンセプチュアル系(概念系、思考系)の業務が苦手な営業パーソンは、「企画って、まず何から始めればいいんだろう?」と悩んでしまうケースも少なくない。

今回は誰にでも実践できる“具体的な構成づくりのコツ”について紹介する。

 

まずは「全体的にはこんな感じ」という『全体感』を描く

結論から言ってしまうと、企画書の構成はまずは大きく全体的な輪郭を描いてしまうのがコツだ。その際、「全体的にこんな感じにする」という『全体感』を大切にすると、サクサクと企画書が作成できるようになる。

細部は後から詰めるというスタンスで、まずはフワッと「全体的にはこんな感じ」という感覚でスタートしたい。その方が圧倒的に速く、内容的にも顧客の意向に沿った“外さない企画書”になりやすい。

逆を言うと、最初に全体感を描かずに進めた企画書は、途中で主旨がぶれやすく、ストーリー性も出しにくくなってしまう。

思いつきで進める企画書で勝てるのはごく一部の天才だけなので、一般人が真似をしても成果は出ない。

 

企画書の目次、章立てを作る

一方、誰にでも成果を出せる企画書の構成・骨子の作り方は、イメージしやすい例で紹介すると、本でいうところの「目次」を作る工程と全く同じだ。

目次というのは「1章」「2章」という大項目と、章ごとに「1項」「2項」という小項目で成り立っている。企画書ではこの章に当たる部分(章立て)をまずは最初にザックリ描いてしまって、後から章ごとにその細部である項にあたる部分を練った方が、効率的にタスクが進む。

参考テンプレートとして一例を紹介しておくと:

1 背景や目的

2 問題の構造

3 問題解決への仮説

4 解決策、提案内容とそのプロセス

5 自社の強み

6 問題が解決された時の姿(未来像)

7 事例紹介

のような7章立ての構成だ。

「フワッと」「ザックリと」章立てを作り、これらの1~7のそれぞれの章の中に何を盛り込むか(項の部分)を、思いつくままに1行ずつ入力していくやり方がシンプルでやりやすい。

項の部分が作りやすいように、汎用的な例として1~7の各ポイントを下記に補足しておく。

次のページ
汎用テンプレートの「使い方」 >

著者紹介

大塚 寿(おおつか・ひさし)

エマメイコーポレーション代表取締役

1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。

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