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「登場人物のチャート図」で、顧客が発注先を決める瞬間をつかむ

2019年07月31日 公開
2023年03月02日 更新

大塚寿(営業サプリ)

代表的な5つの判断基準

さて、重要なのはこれらの意思決定プロセスで用いられる判断基準だ。

代表的な基準は、

a)価格(コスト)→価格による判断

b)目的→目的にどれだけ沿っているかによる判断

c)環境→環境や環境変化にどれだけ合致するかによる判断

d)価値(風土)→大切にしているモノやコトにどれだけ沿っているかによる判断

e)システム(業務フロー合理性)→会社内の業務フローやシステムへの親和性による判断

といったところだ。

 

発注先は100%顧客の意思決定プロセスと判断基準の組み合わせで決まる

先の顧客意思決定のプロセスとこの判断基準の組み合わせで、すべての案件の発注先が決定される。

しかも、関係部門や登場人物が増えるたびに、それぞれの判断基準が異なるために、登場人物の力関係、発言力、キーパーソンか否かをコミュニケーションの中で見極めつつ、パズルを解くように、各部門の関係者の判断基準を明確にしていかなければいけない。

最も大雑把な推測としては、「ユーザー部門は、とにかく品質が高く使い勝手のよいものを求めるし、調達部門はどれだけ安く買えるかが最重要課題で、検討部門はそれらのバランスを取りたがる傾向がある」といったところだ。

この推測をスタートラインにできるだけ多くのステイクホルダーから情報を取って、案件を有利に進める筋道を描きたい。

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リクルートで教わった「登場人物のチャート図」 >

著者紹介

大塚 寿(おおつか・ひさし)

エマメイコーポレーション代表取締役

1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。

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