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できるリーダーは「仕組みを作って満足しない」

2019年09月13日 公開
2023年02月24日 更新

吉田幸弘(リフレッシュコミュニケーションズ代表)

 

できるリーダーが注視している3つのポイント

一方、できるリーダーは、仕組みを構築した後の運用までしっかり確認しています。具体的には次の3つの点を注視しています。

1. 運用後に、部下からフィードバックをもらう

実際に仕組みを運用していて、不具合や問題点はないかどうかを、リーダーの側からメンバーに確認します。

2. 不具合や問題点は、対応が必要かどうかをすぐに判断し、放置しない

部下から不具合や問題点の提案があれば、次は対応する必要があるかどうかを判断し、適宜変更する姿勢を見せましょう。ルールは絶対不変ではなく、状況に応じて変わっていくものと考えることが大切です。

たとえば、先ほどの例の見積書のフォームなどは、当初の目的を果たしていないので、すぐに改訂する必要があります。

また、業務ルールの場合は、まずはベテラン営業マンやその関係者にヒアリングし、必要があればルール改訂を提案する必要があるでしょう。

この時、ベテラン営業マンがなぜそのようにしているかをしっかり聴く必要があります。そうしないと、ルール改訂の方向性が間違ってしまったり、当人の納得感が低くなってしまったりするからです。

3. そもそもの運用の徹底をメンバーに促す

先ほどの例のミス報告書の隠ぺいなどは、将来大きな問題に発展するリスクが高い問題です。これに関しては、ルールを変更するというより、口うるさく指導して、仕組みをしっかり守らせる必要があります。

そのうえで、どうしたら部下の側も運用しやすいかなどを議論していけばいいでしょう。できるリーダーは、このような小事・凡事をも徹底しているものなのです。

 

著者紹介

吉田幸弘(よしだ・ゆきひろ)

リフレッシュコミュニケーションズ代表

成城大学卒業後、大手旅行会社、学校法人を経て、外資系専門商社へ転職。メンバーとのコミュニケーションに苦心し3度の降格人事を経験、クビ寸前の状態になる。その後、異動先で出会った上司から「伝え方」を学ぶことで営業成績が劇的に改善、マネジャーに返り咲く。現在はコンサルタントとして独立し、累計3万人のリーダーを育てている。

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