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なぜ「散歩」していると、いい発想がひらめくのか?

2019年10月11日 公開

野口悠紀雄(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問/一橋大学名誉教授)

いいアイディアは「書斎や研究室」では生まれない


写真撮影:まるやゆういち

 

 書斎や研究室に籠もってウンウン唸っていると、いいアイディアが降ってくることがあるのだろうか? これまで圧倒的な量の知的生産を行なってきた野口悠紀雄氏は、決してそうではないと言う。

※本稿は、野口悠紀雄著『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

 

歩けばアイディアが出る

「考えが進む環境」「発想が生じやすい環境」とは、どのようなものでしょうか?

 大発見の啓示の例には、共通性が見られます。それは、「日常的環境からのわずかなずれ」です。あるいは、集中や緊張からの「わずかな環境の変化」です。

 本を読んだり原稿を書いたり、あるいは実験をしたりするのは、書斎や研究室です。しかし、アイディアが生まれる場所は、必ずしもそこではありません。そこを少し離れた場所で得られることが多いのです。

 昔から、アイディアが生まれやすい場所として、「三上」ということがいわれてきました。これは、枕上、馬上(または鞍上)、厠上です(北宋の文人政治家・欧陽脩の言葉)。私の場合も、これとほぼ同じであり、散歩、風呂、そしてベッドです。

 部屋にこもって同じ姿勢で考え続けるときでなく、息抜きの姿勢に転換したとたんに、インスピレーションが湧くことが多くあります。集中して仕事をした後、机を離れた瞬間に、アイディアが生まれます。姿勢を変えたために考えが別の側面を向き、別の方向から考えることができるのでしょう。

 ここから得られる「発想の法則」は、つぎのようなものです。「頭に材料が詰まっていれば、環境が少し変化したところでアイディアが得られる」。

 もちろん、重要なのは、環境の変化そのものではなく、それに先だって集中することです。

「無意識の発想」を促進するために、「寝る前に材料を仕込む」という方法も考えられます。寝ている間に熟成して、朝起きたときにアイディアが浮かぶのを期待するわけです。風呂に入る前や散歩の前も、同じです。そのためには、余計な情報に邪魔をされないよう、テレビなどを見ないことが必要です。

 

ポイント 集中した作業の後に環境が少し変化すると、「啓示」が得られることが多い。

 

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頭を一杯にしてから歩く >



著者紹介

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)

早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問/一橋大学名誉教授

1940年、東京都生まれ。63年、東京大学工学部卒業。64年、大蔵省入省。72年、イェール大学Ph.D(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2011年より現職。著書に、『「超」整理法』(中公新書)、『「超」AI整理法』(KADOKAWA)など、ベストセラー多数。

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