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私産を増やすゴールデンルールは「514(ゴイシ)」にあり?

2019年10月09日 公開
2023年02月24日 更新

鈴木隆史(日本私産運用協会代表理事)

「給与は減っていない」という人も要注意

「ここ20年で年収(額面)に変動はない」という方も、実は要注意です。税金や社会保険料の増加の影響を受けているはずで、その分、自由に使えるお金(可処分所得といいます)は減っています。

最も身近なものとしては消費税ですが、平成初期は3%だったものが5%➝8%➝10%と約30年間で10%も多くお金がかかる環境になっています。

年間300万円の買い物をするとすると、必要な消費税がかつては9万円だったものが、今は30万円になっています。つまり、年収の額面が昔から維持できていたとしても可処分所得が下がるため、生活が苦しくなっていることがわかります。

額面での賃金を「名目賃金」、可処分所得の視点でみた賃金を「実質賃金」といいますが、1996年から2016年にかけて、実質賃金が減少しているのは先進国の中では日本だけなのです。

 

上場企業の50%が副業を認めている

では、どうすればいいのか。私たちが進めているのが「副業」です。

副業元年と呼ばれた2018年から1年半近く経過しました。副業特集の雑誌や本が多く出版され、上場企業の50%が副業を認めているというニュースも出ているほど、副業は身近なものになってきました。

しかし、実際に副業に取り組んでいる方はまだまだ少ないのが現状です。正確には挑戦はしたが、続いていない方が多いようです。

「平成29年就業構造基本調査 全国編」を見ると、興味深い現状が見えてきます。

副業を取り組んでいる層は年収200万円未満または800万円以上が中心だということ。つまり『本業収入では足りない人』または『すでに豊かな人生設計を描いている人』が中心であり、いわゆる「中間層」の人は、ほとんど副業に手を出していないのです。

確かに中間層は、副業をしなくても生活することには困らないでしょう。必要性が弱いからこそ、続けられる人も少ないのだと考えられますが、これからは、中間層の人も副業を考えるべき時代になっているといえるでしょう。

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「続く副業」3つの特徴とは? >

著者紹介

鈴木隆史(すずき・たかし)

日本私産運用協会代表理事

明治大学商学部卒業。食品(飲料メーカー)の営業と開発、青果物商社の営業マネージャーを経て、現在はファイナンシャルコンサルティング企業で活躍する。
20代後半にビジネスにチャレンジするも失敗。クレジットカード7枚のリボルビング払いまで手を出し、一時は借金返済のためにトリプルワークを経験。自身がお金に関して何も知らなかったので、これから私産について勉強していく方々に分かりやすく伝えたいという想いが強い。子供向けファイナンシャル教育の底上げのためにも、まずは大人から基礎を学ぶ必要があると考えている。
日本私産運用協会の理念に共感し、2013年に協会認定講師資格である私産運用プランナーに合格。以降、協会の講師とし公演活動を行う。ファイナンシャルプランナーの有資格者でもある。協会の理念を深く理解し、分かりやすく正確に伝えるその姿勢は、協会を代表する私産運用プランナーとして称賛を得ている。
2015年より日本私産運用協会の代表理事に就任。また同年にファイナンシャルカンパニー日本法人の代表に就任。日本私産運用協会(http://j-pama.org/)

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