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ソニー銀行「データアナリストを育成し、新商品を生み出す」

2020年01月07日 公開
2022年10月25日 更新

【経営トップに聞く】住本雄一郎(ソニー銀行社長)

 

住本雄一郎

日本円の低金利を背景に「外貨預金」も好調

 ――他に、好業績の要因は?

住本 外貨預金も好調です。日本円の金利が低いので、より金利が高い外貨で預金を持つ方が増えているのです。外貨預金も、他の金融機関も扱っていますが、やはりネット銀行だからこその手数料の安さや手続きの簡単さが強みです。金利も、他社に負けないように努力しています。

 また、当社が発行している「Sony Bank WALLET」を使うために、当社で外貨預金口座を開設される方も多くいます。これはVisaデビットカードとキャッシュカードが1枚になっているもので、デビットカードとして海外で使うと、当社の外貨預金口座から直接代金が引き落とされます。例えば、このデビットカードを使って米国で買い物をすると、当社に作っていただいた米ドルの預金口座から代金が引き落とされる、というわけです。今は10種類の外貨に対応しています。他社も追随していますが、当社が先駆けて、2016年に始めました。

 もちろん、VisaやJCBなど一般のクレジットカードでも海外で広く使えます。ただ、気にされていない方が多いでしょうが、海外で使うと日本円と外貨の為替手数料がかかるんです。Sony Bank WALLET のように外貨預金口座からの引き落としなら、その為替手数料がかかりません。外貨預金の口座に入金する際には為替手数料がかかりますが、クレジットカードを使うときにかかる為替手数料よりも安く済みます。

 ――御社はキャッシュレスにも力を入れていると聞いていますが、デビットカードもその一つですか?

住本 キャッシュレスで一番力を入れているのが、デビットカードです。2019年9月末で、当社には約152万口座があるのですが、Sony Bank WALLET は約60万枚発行しています。

 使うとポイントが還元されるカードは多いですが、当社のデビットカードは、国内で使うとキャッシュバックがあるのも特長です。お客様の残高や取引内容によって優遇特典が変わるステージがあり、最高ステージだと2.0%がキャッシュバックされます。

 ――日本ではデビットカードよりもクレジットカードのほうが一般的ですが、なぜデビットカードに注力しているのでしょう?

住本 デビットカードは即時引き落としなので、家計の管理がしやすいからです。クレジットカードだと、商品やサービスを購入してから引き落としまでにタイムラグがあるので、デビットカードより管理がしにくいですよね。

 ――顧客の利便性のため、ということですか?

住本 そういうことです。

 

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著者紹介

住本雄一郎(すみもと・ゆういちろう)

ソニー銀行〔株〕代表取締役社長

1958年生まれ。大阪府出身。80年、京都大学を卒業し、ソニー〔株〕に入社。88年、ソニー・プルコ生命保険〔株〕(現・ソニー生命保険〔株〕)入社。2010年、同社執行役員常務。12年、同社執行役員専務。13年、同社取締役。16年、ソニーフィナンシャルホールディングス〔株〕専務取締役に就任し、ソニー生命保険、ソニー損害保険〔株〕、ソニー銀行〔株〕の取締役を兼務。17年より現職。

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