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ノーベル賞研究を応用した「集中力」を一瞬で高める秘訣

2020年01月06日 公開
2023年02月24日 更新

鈴木祐(サイエンスライター)

パソコン作業で落ちたやる気を取り戻す方法

執筆中に集中力が落ちたとき、鈴木氏は「キーボードを叩く指先に意識を集中する」ことが多いという。

「気が散る状態とは、『今・ここ』以外に心がとらわれること。これを戻すには、五感に意識を向けるのが一番です。指先の感覚にフォーカスすることで、『今・ここ』に意識が戻り、雑念を払えます」(鈴木氏)

一方、人によっては、「ミスタッチ」で集中力が途切れることもある。これにはどう対処すればいいだろうか。

「それは、速く打ち過ぎているせいだと思われます。どれだけ速く打っても、人間の思考には追いつきません。するとイライラして集中力が乱れ、ミスタッチを招き、ますます意識が乱れる悪循環が起こります」(鈴木氏)

キーボード入力は「速く」よりも「丁寧に」することが、集中力維持の秘訣だ。

「入力を遅くしたほうが、作業全体は早く済む、という研究結果が出ています。ゆっくり丁寧に、と意識することで、パフォーマンスも集中力もアップするのです」(鈴木氏)

 

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著者紹介

鈴木祐(すずき・ゆう)

サイエンスライター

1976年、生まれ。慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。膨大な数の科学論文と、国内外の学者や専門医への取材をもとに、ヘルスケアを中心とした書籍を執筆。ブログでも心理・健康・科学に関する最新情報を発信、月間100万PVを記録する人気を誇る。企業を対象とした講演や、生産性の上がる職場環境の構築も行なう。近著に「ヤバい集中力」(SBクリエイティブ)がある。

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