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一流クリエイターが大ヒットを生み出し続ける「ストレスゼロの時間術」とは⁉

2020年01月02日 公開
2023年02月24日 更新

水野学(good design company 代表取締役)

一つひとつの仕事に締め切りを決めよう

ルーティン化ができたら、次は「プロジェクトAの調べもの・180分」「プロジェクトBの手描きのラフ作り・60分」というように、それぞれの作業にかける時間を見積もっていきます。 

そしてその作業をどの日にいつやるのか、学校の時間割のように、時間ボックスの中にはめ込むのです。

これを行なうときに大前提となるのは、そのプロジェクトの締め切りを意識することです。「プロジェクトAの仕事は、全部で20時間ぐらいかけたいが、それでは締め切りに間に合わない」という場合は、それぞれの作業時間を短縮する必要があります。そして締め切りから逆算して、それぞれの作業をいつまでに仕上げなくてはいけないかを考えながら、時間ボックスの中に当てはめていきます。

また万が一、それぞれの作業が見積もった時間内に終わらなかった場合に備えて、バッファも必ず設けておきます。だいたい60分の作業であれば15分~30分程度、つまり時間に対して30~50%程度のバッファを取っておけば十分でしょう。

ただしバッファはあくまでも、緊急事態に備えて取っておくもの。段取り力が低い人ほど、バッファの時間もフルに使い切って仕事をしようとします。

でもこれでは本当に緊急事態が起きたときに、対応できなくなります。作業時間を60分と見積もったら、60分で終わらせるべく全力で努力します。余ったバッファの時間は、休憩をしてコーヒーを飲む時間に充てるぐらいの気持ちのほうが良いでしょう。

私は多くの人がだらだらと仕事を続けてしまいがちなのは、そもそも時間を意識して仕事をしていないからだと思います。 

例えば、クライアントとの会議が2時間しか持てなくて、その時間内にある重大な決断を下さないとプロジェクトが破綻するという場合、何がなんでも決断しますよね。これは「2時間で決めないとヤバい」と、時間を意識しているから。つまり時間を意識すれば、多くのことは時間内にできてしまうのです。

そのプロジェクト全体の締め切りだけではなく、一つひとつの作業に対しても、「これは30分で終わらせる」「60分で結論を出す」というように、締め切りの意識を持って臨むようにしてください。

 

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スケジュールは3時間ごとに見直す >

著者紹介

水野学(みずの・まなぶ)

good design company 代表取締役

1972年、東京生まれ。98年、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、98年にgood design company設立。ゼロからのブランド作りをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。主な仕事に、NTTドコモ「iD」、相鉄「ブランドアッププロジェクト」、熊本県キャラクター「くまモン」、「中川政七商店」がある。著書に『いちばん大切なのに誰も教えてくれない段取りの教科書』(ダイヤモンド社)など。

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