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ベストセラー『働き方の哲学』の著者に聞く「ビジネスパーソンの成長とは?」

2020年01月20日 公開

村山昇(キャリア・ポートレートコンサルティング代表)

「怠惰な多忙」に陥らず、「第Ⅱ領域」の活動時間を意識して増やそう

 

「人生100年時代」と言われ、働く期間も伸びている現代。活躍し続けるためには、学びも続けなければならないわけだが、40代になると、若手の頃とは学び方を変えなければならないと村山昇氏は話す。どのように変えるべきなのだろうか?

 

「忙しい」と思う人ほど成長が止まっている

「人は何歳になっても成長できる」というのは、よく耳にする言葉だ。しかし、いざ自分を省みてみると、本当に今も成長し続けているのかどうか、実感を持てない人も多いはず。村山昇氏は、「漫然と生きていれば、誰でもある時点で成長は止まる」と話す。

「若い頃は、会社から与えられた仕事をいかにクリアするか、どう効率的にこなしていくかを必死になって考えて取り組んでいれば、自然と成長することができます。

 けれども、社会人になって10年も経てば、仕事をひと通り覚えてしまい、さほど頭を使わなくてもなんでもこなせるようになります。今の自分の力でできることしかやらなければ、当然、成長は停滞します。

 ところが多くの人は、成長の停滞期に入ってからも、特に対策を講じようとしません。なぜなら、会社から様々な仕事を与えられ、毎日がそれなりに多忙だから。人は、忙しいと、それだけで頑張っている気になってしまうものです。

 これを約2,000年前のストア派の哲学者セネカは、『怠惰な多忙』と呼んでいます。そして、彼はこう書き記しています。

『われわれにはわずかな時間しかないのではなく、多くの時間を浪費するのである。人間の生は、全体を立派に活用すれば、十分に長く、偉大なことを完遂できるよう潤沢に与えられている』(『生の短さについて』より)。

 例えば、今、40歳なら、40代の10年間の時間を『立派に活用』した人と、『怠惰な多忙』をむさぼった人とでは、50歳になったときに大きな差がついてしまいます。

 前者は、自分の強みや独自の視座を獲得し、組織の中でも『この仕事はあの人でないとできない』と言われるような重要な役割を担える存在になれます。

 一方、『怠惰な多忙』で10年間を過ごしてしまった人は、忙しい割には成長できていないので、他の人でもできる仕事しか割り振られません。業績の悪い会社であれば余剰人員と見なされます。また、自らのビジネス人生を振り返ったときに、『本当にこれでよかったのか。自分は何も成し遂げられないまま終わってしまうのではないだろうか』というモヤモヤ感にさいなまれることになります」

 

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著者紹介

村山 昇(むらやま・のぼる)

キャリア・ポートレートコンサルティング代表

組織・人事コンサルタント。概念工作家。1962年、三重県生まれ。86年、慶應義塾大学経済学部卒業。プラス〔株〕、日経BP社、〔株〕ベネッセコーポレーション、〔株〕NTTデータを経て、2003年に独立。1994~95年、イリノイ工科大学大学院Institute of Design研究員。2007年、一橋大学大学院商学研究科にて経営学修士(MBA)取得。『働き方の哲学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書多数。

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