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意外に稼げる海外ノマドワーカー、まったく稼げない海外ノマドワーカー

2020年01月10日 公開
2023年02月24日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(50)石澤義裕(デザイナー)

クラウド・ソーシングは便利だが……

日本でバリバリ働いた経験がある30歳以上は、クラウド・ソーシングを利用しています。

クラウド・ソーシングとは、インターネット上の「お仕事紹介掲示板」で、サイトには選びきれないほど仕事があふれています。

デザインやイラストを得意とするバックパッカーが、これだけ仕事があれば「ワーク・ライフ・バランス」良く旅ができると夢を膨らませます。

しかし、同じ妄想を抱く人が多すぎて価格破壊中。しかも、ライバルが多すぎて仕事にありつけないです。

一回しか仕事をしたことがない一期一会系ノマドたちは、「妄想対効果」の悪さに追いつかずに貯金を使い果たし、やがて日本社会に復帰します。

 

やっぱり強いのは「顧客をつかんでいるノマド」

40代以降ともなると、地に足のついた堅実なノマドがいます。

彼らの宿選びは、安さより仕事環境。落ち着ける静かな部屋を探し、その費用を払えるだけの収入を得ています。

多いのは、英語の翻訳家。

次にIT系のコンサルタント、プログラマー、Webサイト作成。

彼らの特徴は、顧客を掴んでいること。

「顧客」こそが、ノマドの分水嶺です。←ここ重要!

Webサイトを作っていた女子旅人は、月3万円。ガッチリ稼ぎたいときは宿にこもれば10万円以上。やる気次第で仕事量を調整できる顧客は、1年以上かけて準備したとのことです。

圧倒的に稼ぐのは、金融関係や政府筋の翻訳家。月200万円以上も稼ぐ殿上人もいます。宿のランクが違いすぎて、滅多にお会いできません。

また、英語を活かしたノマドに、オンライン英会話の講師もいました。

変わり種として、流行りのリモート・ワーカー。

アメリカの会社に所属し、週35時間ネットに繋いで仕事をすれば、月給25万円。彼もまた翻訳関係です。

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著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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