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寝る前10分のストレッチ習慣で、心の疲れが取れる

2020年02月17日 公開

永松俊哉(山野美容芸術短期大学教授)

入眠が改善し、不眠の予防にも

「ストレスを軽減するためには身体を動かすことも有効」と聞くと、スポーツで汗を流す姿を想像し、「自分にはとてもムリだ……」と思うかもしれない。しかし、1日にわずか10分、ストレッチをするだけで、ストレス軽減の効果があると、運動生理学が専門の永松俊哉氏は言う。詳しく話を聞いた。

 

身体を動かすことは抑うつ改善効果がある!

 身体を動かすことは、心の健康にもつながる。それが科学的に明らかになってきたのは、比較的最近のことです。

 以前は「心が疲れている人に運動をさせるのは負担が大きい」と考えられていましたが、近年の研究では、むしろ身体を動かすことが抑うつ状態や不安などに効くことがわかっています。中でもジョギングやウォーキングなどの有酸素運動に気分を改善する効果があることが、各種の研究で明らかになりました。

 私自身、運動生理学の専門家として運動と心の健康との関係を研究してきました。ところが、私が主な研究の対象としていた中高年の会社員たちは仕事が忙しく、運動をしたくても時間がない。そんな人たちに、ジョギングやウォーキングをしてくださいと言っても、継続的な実践は期待できません。そこで、短時間でできる、メンタルに良い影響を与える運動はないかと考えて辿り着いたのが、ストレッチでした。

「そんな軽い運動では、有酸素運動のような効果は期待できないだろう」と思うかもしれません。しかし、ここに興味深いデータがあります。

 うつ病患者を三つのグループに分け、それぞれに、

A 50~80分間のウォーキングに匹敵する有酸素運動を週3~5回
B Aグループの40%に当たる有酸素運動を週3~5回
C ストレッチを週3回

 という運動を12週にわたって実践してもらった研究結果です(グラフ1)。

 

 

 これを見ると、運動量が最も多いAグループにおいて、最も顕著に抑うつ改善効果が見られます。

 しかし、私が着目したのは、ストレッチしか行なわなかったCグループです。よく見ると、運動の負荷が最も低いこのグループは、5~6週目で、一時的ではありますが有酸素運動を行なったグループより大きな効果を上げています。

 つまり、息が上がるような運動をしなくても、ストレッチだけで十分に心に効くことが期待できるわけです。

 

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たった1回10分程度でストレスホルモンが低下 >



著者紹介

永松俊哉(ながまつ・としや)

山野美容芸術短期大学教授

1963年、福岡県生まれ。福岡教育大学大学院修士課程修了。(公財)明治安田厚生事業団 体力医学研究所所長を経て、19年より現職。専門は運動生理学、公衆衛生学。著書に『ポ
ジティブ脳に切り替えるストレッチ』(メディカルトリビューン)などがある。

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